研究課題/領域番号 |
21K02886
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09080:科学教育関連
|
研究機関 | 北海道科学大学 |
研究代表者 |
福原 朗子 北海道科学大学, 工学部, 講師 (30316244)
|
研究分担者 |
山中 康裕 北海道大学, 地球環境科学研究院, 教授 (40242177)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | 数値シミュレーション / 時間発展方程式 / 将来予測 / 気候変動 / 表計算ソフト / 教育プログラム / シミュレーション / 動画 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、気候変動の本質を理解する、高校生自らが表計算ソフトを用いて時間発展方程式を解く、教材および教育プログラムを開発する。授業評価を通じて、高校生が「物理基礎」、「数学I」、「情報」等の科目で学ぶ知識に基づいて、どの程度の数値シミュレーションが行えるか?『世の中の様々な現象が、「数学II」で学ぶ初等関数や微分積分で説明できる』ことを、数値シミュレーションを用いてどの程度理解できるか?を明らかにする。全国の高校教員や高校生が「理数探究」や「総合的な探究の時間」に利用できるように、教材や教育プログラムを公開し、主体的・対話的で深い学びに貢献する。
|
研究実績の概要 |
高校で習う知識に基づいて、気候変動の将来予測等の数値シミュレーションの基礎を学ぶ教材および教育プログラムを開発する。時間発展方程式を解く数値シミュレーションは、1960年代、1970年代の最先端の研究ツールだったが、今では高校生で扱える素材となりうる。本研究では、気候変動の本質を理解する、高校生自らが表計算ソフトを用いて時間発展方程式を解く、教材および教育プログラムを開発する。授業評価を通じて、高校生が「物理基礎」、「数学I」、「情報」等の科目で学ぶ知識に基づいて、どの程度の数値シミュレーションが行えるか?『世の中の様々な現象が、「数学II」で学ぶ初等関数や微分積分で説明できる』ことを、数値シミュレーションを用いてどの程度理解できるか?を明らかにする。全国の高校教員や高校生が「理数探究」や「総合的な探究の時間」に利用できるように、教材や教育プログラムをwebサイト上に公開し、主体的・対話的で深い学びに貢献する。 2023年度は建物8階からボールを落下させ、地面に到着するまでの時間を計測する実験を行い、過去にこれまで集めたデータとともに、計算ソフトを用いて、建物の高さと落下時間を数値シミュレーションできるプログラムを作成し、改善、検証した。この計算ソフトを使用し、JRタワーや東京スカイツリーなど高い建物から同様の実験を行った場合の数値予測を、空気抵抗やその他の要因を含めて考え、将来予測のシミュレーションの一つとした。また、日本の将来人口は、出生数や死亡者数、女性人口と出産率などのデータを用いて将来予測を可能とし、先進国と開発途上国など比較し、実際の世界人口のデータについて検証した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2023年度は福原の個人的な理由により、思うように進捗しなかった。ただし、2024年5月、札幌市内の高校生を対象にしたサイエンスクラス実施に向け、準備を進めた。 教育プログラムは、6時間で計画、事前学習として動画視聴による理解、表計算ソフトのダウンロードと課題を準備した。プログラム当日はアイスブレイクに始まり、講義、デモンストレーションによる時間発展方程式の解説と実習、ボール落しの実験とデータ収集、データを用いた分析を行う。また、この数値シミュレーションと気候変動に伴う将来予測の関係性を説明し、最先端研究のひとつである、世界初のマイワシの回遊モデルの解説、全球平均気温、全球二酸化炭素発生減と吸収源のバランスについて解説の順に組み立てた。なお、欲しい未来に向かって、社会のしくみをつくる事例として、最後に将来人口の予想をシミュレーションするプログラムを準備している。 また、もともと別の研究である藻場造成ブロックの開発から派生し、ブロックに着床した藻類が将来固定可能な二酸化炭素量についてシミュレーションできないか、模索中である。
|
今後の研究の推進方策 |
2024年5月に札幌市内の高校生を対象に、気候変動をシミュレーションする教育プログラムとして、一日講座を開催する。その後、高校生によって得られた実験結果とシミュレーション結果をまとめて論文として日本工学教育協会に発表する。 藻場造成ブロックは試作段階を経て、函館港と室蘭港で実証実験を計画中である。ブロックに発生した大型藻類の重量を計測し、二酸化炭素固定量を計算で求められるか検討する。
|