研究課題/領域番号 |
21K02895
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09080:科学教育関連
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研究機関 | 鈴鹿工業高等専門学校 |
研究代表者 |
辻 琢人 鈴鹿工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (70321502)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | 半導体デバイス / バイポーラトランジスタ / 集積回路 / 半導体デバイス作製教材 / 半導体デバイスものづくり教育 / 半導体ものづくり実験 / 工学教育 |
研究開始時の研究の概要 |
学生が強い関心を持って,重要かつ代表的な半導体デバイスの一つであるバイポーラトランジスタの作製技術と動作原理を理論と実践の両面から習得できる作製教材を開発する.これまでの研究で確立した技術を基に,任意の正孔濃度のp型不純物拡散層を形成する技術及びn型不純物拡散層の厚さを正確に制御する技術を新たに確立し,簡易な工程でバイポーラトランジスタを作製できるように試みる. そして,学生が半導体工学をより良く理解するための一助とするため,開発したバイポーラトランジスタ作製教材の工学実験での活用や青少年を対象にした科学技術啓蒙活動及び半導体関連企業向けの技術講習会などへの展開も目指す.
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研究実績の概要 |
本研究では,代表的な半導体デバイスの一つであるnpnバイポーラトランジスタ(npn BPT)の作製技術とその動作原理を理論と実践の両面から効果的に習得することに繋がるバイポーラトランジスタ作製教材の開発を試みた. npn BPTのnpn構造の形成には,p型不純物拡散層の上にn型不純物拡散層を形成する必要があるため,p型不純物拡散層の上にn型不純物拡散層を形成し,そのpn接合の電気的特性を評価したところ, p型不純物拡散層の熱処理時間が長くなるにつれて,整流性ではなく線形性を示すことが確認された.この結果,p型不純物拡散層上にn型不純物拡散層は形成できるものの,そのpn接合でnpn BPTの作製に必要な電流-電圧特性を得ることは容易でないことが見込まれたことから,npn構造を縦方向に形成する一般的なサブストレート型ではなく,横方向に形成するラテラル型npn BPTの作製を目指して,その構造を設計し,フォトリソグラフィ技術で数十μm幅のp型Siの両側にn型不純物拡散層を形成したnpn BPTを作製した. 作製したラテラル型npn BPTのベース接地回路の電流-電圧特性は,コレクタ電圧の変化に対してコレクタ電流はほとんど変化せず,エミッタ電流とほぼ同程度のコレクタ電流が流れたことから,典型的なベース接地回路の電流―電圧特性が得られることを確認した. また,エミッタ接地回路の電流-電圧特性に関しても,コレクタ電圧の変化に対してコレクタ電流は大きく変化せず,ベース電流が増幅されたコレクタ電流が流れたことから,典型的なエミッタ接地回路の電流―電圧特性を有するnpn BTPを作製できる見通しが得られた. さらに,本教材ではnpn BPTを比較的少ない工程で作製できたことから,工学教育活動などに応用が可能な実践的なバイポーラトランジスタ作製教材を構築することができたのではないかと思われる.
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