研究課題/領域番号 |
21K02897
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09080:科学教育関連
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研究機関 | 滋賀県立琵琶湖博物館 |
研究代表者 |
戸田 孝 滋賀県立琵琶湖博物館, 研究部, 特別研究員 (90359266)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 地域特有の自然現象 / 科学館的手法 / 地域博物館 / 理工系と自然史系の併存 / 抽象的科学原理 |
研究開始時の研究の概要 |
理工系博物館(科学館)では「抽象度の高い内容を扱う方法論」が多々蓄積されているが、その多くは「科学原理の理解」に至る過程自体の最適化を目標としているため、条件自体が「現実離れ」して「具体的な自然現象の理解」との結びつけが困難になることが多い。しかし、この事実はおそらく多くの関係者が感覚的に納得できるものであろうが、確かなデータに基づいて実証されているものではない。そこで、まず実証データを収集して論点を整理し、それを踏まえて、地域での具体的な自然現象や人文社会事象を出発点として科学的成果を総合化しようとする「地域博物館」の1つである滋賀県立琵琶湖博物館での具体的な課題を例にとって手法開発を行う。
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研究実績の概要 |
前年度に引き続き、各地の科学館等での実践事例の文献調査や聞き取り調査を、特に理工系の内容と自然史系の内容の融合連携に成功している事例の抽出と、その成功要因の解明とを主たる目標に据えて実施した。具体的にはWeb公表情報で理工系と自然史系が併存しているとみられる約40館を抽出し、訪問調査や通信手段による聞き取りを行った。 前年度の段階で、当初から双方を対等に併存させることを志向していたと思われる館では理工系と自然史系の関係が「異なる館種間の連携」になっている傾向があること、科学館が身近な自然現象に目を向けようとする過程で自然史館の機能を必要とするようになった事例では各館の事情(特に人材的設備的な条件)によって状況は様々であることが明らかになっているが、特に後者について事情の異なる具体例を追加的に収集することができた。 また、自然史館が科学館の機能を内包しようとしたと思われる事例の成功例について、昨年度に見出した事例では地域で典型的な自然史現象の考察に必要となる原理が低温科学であったが、そのほかに必要な原理が光学現象である事例を見出した。そして、これに基づいて科学館的説明と自然史現象との親和性を確保する方策についての検討を進めた。 以上の結果について、分野の異なる3つの学会(博物館学一般、科学教育、科学系博物館)において研究発表を行った。 なお、以上の調査と並行して、前々年度に実施した本研究のテーマに密接に関係する展示企画(ギャラリー展示)に関して多くの関係者の興味を引いた、展示における数式の利用について報告する論文を公表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度実施部分については論文公表に向けた取りまとめに予定以上に時間を要している。また、前々年度に展示手法の開発を多数の参集を求めて多様な意見に基づいて手法開発を進める予定であったのがコロナ禍のため充分に実施できなかったことについてはその後も対応できておらず、その分だけ遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
今年度の調査結果に基づいて分析を進めて研究発表を行い、議論を通じて考察を深め論文公表に向けて整理を進める。そして、当初予定していた展示手法の開発を進める。
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