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「深い学び」を実現する探究学習のための教員の資質・能力に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 21K02925
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分09080:科学教育関連
研究機関京都教育大学

研究代表者

村上 忠幸  京都教育大学, 教育学部, 名誉教授 (20314297)

研究分担者 樋口 とみ子  京都教育大学, 教育創生リージョナルセンター機構, 教授 (80402981)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
キーワード深い学び / 自由で協働的な探究学習 / コーチング / デボノの帽子 / マルチプル・インテリジェンス / 個と集団 / 教師教育 / 省察 / メタ認知 / 探究学習 / 探究OS / 省察力 / 資質・能力 / オランダの教育 / 学びの場づくり / コーチング力 / ファシリテーション力 / ALACTモデル / コア・リフレクション / 教員研修 / 自由で協働的
研究開始時の研究の概要

今回の学習指導要領の主眼は「知識・技能」「思考力・判断力・表現力」「学びに向かう力・人間性」という資質・能力の育成である。その実現に向けて「主体的・対話的で深い学び」という考えのもと、「深い学び」を実現するために探究学習の実現へのニーズの高まりはかつてないほど高い。しかし、現実は、探究学習の具体的な理論、実践、評価をめぐって困惑・模索している。この状況を克服するため、探究学習の実践・実現に向けて「学びの場づくり」の必要性を強調したい。そのために、「学びの場づくり」の概念構築、「学びの場づくり」を実践・実現するための教員の資質・能力の育成する汎用的な教授理論の構築とその実践を目指す。

研究実績の概要

本研究は、題目「「深い学び」を実現する探究学習のための教員の資質・能力に関する研究」のもとその遂行に向けて、2023年度(3年目)は以下のような成果を上げた。
1.探究学習において「深い学び」を実現するための教員の資質・能力を育成するための研修を安定的に実施した。それらは大きく2つのカテゴリーとして実践した。一つは自由で協働的な探究を実現するための「探究体験」:マルチプル・インテリジェンス理論(以下MI)を用いたグルーピング、デボノの帽子による省察で構成され、探究実践とその省察を経験するものである。また、二つは、「コーチング力・省察力」:探究を支える資質・能力を体験的に学ぶものである。これらを28回開催した(時間、対象者は異なるが、内容は主に「探究体験」15回、「コーチング力・省察力」6回、両方1回、その他6回)。これらのアンケート調査を行い、100%の満足度(大変満足、満足の合計)の評価を得た。
2.「探究学習の真正性」を充たした「学びの場づくり」の概念構築に向けて大きな進展が得られた。上記の研修を展開する中で、我々が探究学習の経験モデルとして開発した「自由で協働的な探究学習」の一般化を求める声が高まり、そのエッセンスを検討した。
その検討から「真正性」が一般化の中心となる概念であることがわかった。この経過では多くの現職教員の協力を得て議論を進めることができた。
3.「学びの場づくり」を実践・実現するための教員の資質・能力として「省察力」「コーチング力」の育成に向けてオランダの教師教育の調査から多くの知見が得られた。それは「個と集団」という視点への着眼である。日本の教員の資質・能力に「個と集団」という視点を重ねて「自由で協働的な探究学習」の体験モデルを再検討・再評価することから、探究本来の学びとして個別最適化を実現する教員の資質・能力具体的な検討をする展開を次年度に期するものである。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究は初年度である2021年度、新型コロナ禍による対面授業、研修の自粛や海外渡航の制限によって、ほとんどの実践的な取り組みができなかった。2022年度になり、本研究の本格的に実施が可能となった。したがって本研究は2021年度から3年計画のところ、現実的には2022年度からの3年計画として仕切り直し、研究遂行に臨む体制とした。したがって2023年度は本研究3年間の2年目の位置づけとして遂行した。その意味において、目標としたところはおおむね進展している。以下、計画書の記述に基づき、進捗状況を示す。① 理論研究:「学びの場づくり」に関して「深い学び」「探究学習」「教員の資質・能力」の関係を明瞭化する。自由度の高い協働的な探究学習を軸に、MI、授業デザイン、省察モデル、コーチング理論、海外の先進事例(オランダ等)調査等をふまえ、特に教員の資質・能力につながる部分について整理し「学びの場づくり」として概念を構築する。→順調である。
② 開発研究:理論研究の成果をもとにして、小・中・高・大の探究学習や教員研修において、探究学習の「学びの場づくり」の概念形成と資質・能力育成方略を質的研究に基づく概念化によって開発を行う。→計画以上に進展している。
③ 実践研究:②の成果を実践に活かし、②にフィードバックを繰り返しながら、評価の方法論を構築し、探究学習における「学びの場づくり」に関する実践を行う。→計画以上に進展している。

今後の研究の推進方策

2024年度は、本研究をコロナ禍の影響で1年延長したため、実質的な最終年度として位置づけ、本研究の成果をまとめ、評価・発信する取り組みに重きを置く。
① 理論研究:「学びの場づくり」に関して「真正性」概念を中心として、自由で協働的な探究学習を経験モデルとして一般化する。そのためのエッセンスをより具体化する。また、「深い学び」「探究学習」「教員の資質・能力」の関係性を明瞭化するために「個と集団」の視点を重ね、その理論化を行う。教員の資質・能力については、コーチング力・省察力について、オランダの教師教育の調査をさらに進める(8月にオランダで調査)。
② 開発研究:理論研究の成果をもとにして、小・中・高・大の探究学習や教員研修において、探究学習の「学びの場づくり」の概念形成と資質・能力育成方略について、2023年度のデータを合わせて、質的研究に基づく概念化を進める。
③ 実践研究:②の成果を実践に活かし、②にフィードバックを繰り返しながら、評価の方法論を構築し、探究学習における「学びの場づくり」特に「真正性」関する評価の可能性を探り、それを概念化すための実践を検討する。
④ 評価研究:「学びの場づくり」の有効性について実践的に検証を継続し、本研究による取り組みについて研修等の実践を調査し評価する。また、研修等により普及を図る。さらに、有効な普及の方略(書籍、SNS等)について検討し、試行する。

報告書

(3件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 研究成果

    (15件)

すべて 2024 2023 2022 2021

すべて 雑誌論文 (5件) (うちオープンアクセス 4件) 学会発表 (9件) (うち招待講演 2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 「自由で協働的な探究学習」の授業づくりのエッセンスとは2024

    • 著者名/発表者名
      村上忠幸
    • 雑誌名

      教職キャリア高度化センター教育実践研究紀要

      巻: 第6合 ページ: 85-94

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] パワードスーツを脱ぎ捨てよう、そして自分の強みで勝負する2024

    • 著者名/発表者名
      村上忠幸
    • 雑誌名

      理科の教育

      巻: Vol.73 ページ: 41-43

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 授業「アゲハチョウの不思議を探る」から科学に誘う 子どもの概念構築2022

    • 著者名/発表者名
      村上忠幸
    • 雑誌名

      理科の教育

      巻: 71 ページ: 13-16

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 授業「アゲハチョウの不思議を探る」から見えるもの2022

    • 著者名/発表者名
      村上忠幸
    • 雑誌名

      京都教育大学教職キャリア高度化 センター教育実践研究紀要

      巻: 4号 ページ: 95-102

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 教育実践分析への質的研究手法の導入の検討―KJ法を活用した質的研究―2022

    • 著者名/発表者名
      清水凌平・村上忠幸
    • 雑誌名

      京都教育大学教職キャリア高度化 センター教育実践研究紀要

      巻: 4号 ページ: 151-158

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [学会発表] オランダの教育と探究2023

    • 著者名/発表者名
      村上忠幸
    • 学会等名
      京都女子大学:オルタナティブの視点からこれからの教育を考えるシンポジウム
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 課題研究:自由で協働的な探究学習の授業づくりとそのエッセンス2023

    • 著者名/発表者名
      村上忠幸
    • 学会等名
      日本理科教育学会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] メンターシップ育成講座の開発・実践・評価2023

    • 著者名/発表者名
      村上忠幸
    • 学会等名
      日本教師教育学会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] ラウンドテーブル:オランダの教員養成・教員研修2023

    • 著者名/発表者名
      村上忠幸
    • 学会等名
      日本教師教育学会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 自由で協働的な探究学習の授業づくりとそのエッセンス(2)2023

    • 著者名/発表者名
      村上忠幸
    • 学会等名
      日本理科教育学会近畿支部大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Education2030におけるメタ認知の扱いについて2022

    • 著者名/発表者名
      村上忠幸
    • 学会等名
      日本理科教育学会全国大会旭川大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] イエナプラン教育と理科教育2022

    • 著者名/発表者名
      村上忠幸
    • 学会等名
      日本理科教育学会近畿支部大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] オランダの教育と探究2022

    • 著者名/発表者名
      村上忠幸
    • 学会等名
      京女公開講座オルタナティブの視点からこれからの教育を考える
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 探究学習にコア・リフレクションの発想を2021

    • 著者名/発表者名
      村上忠幸
    • 学会等名
      日本理科教育学会全国大会(群馬大会)
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [図書] e-ラーニング 標準カリキュラム 教育手法:メンターシップ、コーチング2023

    • 著者名/発表者名
      村上忠幸
    • 総ページ数
      9
    • 出版者
      公益社団法人 日本義肢装具士協会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

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公開日: 2021-04-28   更新日: 2024-12-25  

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