研究実績の概要 |
本研究ではシミュレータと実機の双方を活用するAIロボットプログラミング学習環境の実現を目標とし,次の4つのサブテーマを掲げている. (a)容易に機能拡張が可能な小型AIロボットとシミュレータの開発. (b)コンペティション(競争)形式で学習意欲を高めるPBL学習コンテンツの開発. (c)円滑なPBL推進のためのタスク分担,および遠隔地間の共同開発方式の確立. (d)構築したPBL環境の評価と総括. 今年度はサブテーマ(c)および(d)に取り組んだ.具体的には中型の実機ロボットを開発し,複数の大学生から構成されるPBLメンバーに分担してソフトウェア開発をしてもらった. 分担内容としては「ロボットの自律移動部分」「ロボットの移動経路可視化部分」「画像処理・物体認識部分」というように分担した.自律移動の部分については前年度と異なり,屋外自律走行を主体としたやや高度な課題を設定した. また,遠隔地間での共同開発においてはgithubを活用して,ソースコードを共有しながら実施することに加えて,Docker上で動作する簡易なシミュレーション環境を実装し,自宅でソフトウェアを構築することも,大学等で実機ロボットを見ながら開発することも可能とした. 以上の成果を応用したロボットを用いて屋外自律走行ロボットの性能を競う「中之島ロボットチャレンジ」という大会にPBLメンバーに参加してもらった. これは,大阪市中央公会堂周辺の約480mのコースをロボットに自律走行させる競技会であるが,無事完走することができた.
|