研究課題/領域番号 |
21K02934
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09080:科学教育関連
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研究機関 | 大阪大谷大学 |
研究代表者 |
小谷 卓也 大阪大谷大学, 教育学部, 教授 (50411484)
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研究分担者 |
長瀬 美子 大阪大谷大学, 教育学部, 教授 (50247889)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 乳児 / かがく遊びおもち / 探索行動 / マイクロジェネティック法 / かがく遊びおもちゃ / 形遊び / 探索 / かがく遊びプログラム / 探索行動特性指標 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、令和3年~6年の4年間にわたり、(1)物や現象と関わる乳児(0~2歳児)の「かがく遊び」過程において見いだされる探索行動の特性を抽出・分析して「探索行動特性指標」を作成する、(2)「探索行動特性指標」に基づいて月齢別の「かがく遊び」専用教材である「かがく遊びおもちゃ」を考案する、(3)試作された「かがく遊びおもちゃ」を用いた「かがく遊び」を研究協力園において実施し、その有効性・妥当性を検証しながら発達の適時性を考慮した「乳児のかがく遊びプログラム」を開発することである。
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研究実績の概要 |
2023年度の主な研究実践は、以下の通りである。 [1]2022年度に大阪大谷大学幼児教育実践研究センター紀要13号で提案した「遊び」を通した「学び」の構造モデルを適用して「物の溶け方(融解)のかがく」における8歳児の探索行動を解釈した結果を日本生活科・総合的学習教育学会第32回全国大会(相模女子大学)において報告し、さらにその解釈を通じて探索行動の特徴を抽出した結果を日本理科教育学会 第73回全国大会(高知大会)において報告した。 [2]「物の浮き沈み遊び」における1歳児4名の探索行動の特徴について、国際幼児教育学会 第44回大会(Arisom Silp・Roong Aroon校、タイ・バンコク)では、(1)4名中3名が、浮く物8種類と沈む物9種類の計17種類全てを使って探索していたこと、(2)探索回数は、浮く物の探索については普段の遊びで使用しているか否かに関係していること、沈む物の探索については子どもによって差がある場合とない場合があることを報告した。日本乳幼児教育学会第33回大会(名古屋市立大学)では、(1)4名全員ではないが、「浮く物」と「沈む物」で共通した探索の方法が6種類あったこと、(2)「浮く物」及び「沈む物」に特有の探索方法の種類は、 「沈む物」3種類、「浮く物」7種類といったように「沈む物」の方が多かったことを報告した。 [3]0~5歳児の年齢別にこれまでに開発してきた18種類の「かがく遊び」のねらいとその教材である「かがく遊びおもちゃ」の作成方法と使用方法についてまとめた「0歳からのかがく遊び」を出版した(メイト、2023)。さらに国際幼児教育学会 第44回大会ワークショップ(Arisom Silp・Roong Aroon校、タイ・バンコク)において、タイの2~5歳児に対して「タッパーを使った音遊び」を実施し、「かがく遊び」の効果の初期的な検証を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年度の本研究の目的及び計画は、(1)乳児(0~2歳)の探索行動調査から得られたデータをマイクロジェネティック法で分析し、そこから月齢別の探索行動の特性の時間的変化を連続的に記載した「探索行動特性指標」を作成し、(2)それに基づき、0~2歳の乳児の発達に適した「かがく遊び」専用教材である「かがく遊びおもちゃ」を考案し、研究協力園において乳児を使った有効性・妥当性の検証実験を行うことであった。 (1)については、0~2歳の「探索行動特性指標」を完成するには至らなかったが、文献研究から導き出した「遊び」を通した「学び」の構造モデルを適用して「物の溶け方(融解)のかがく」における8歳児の探索行動を解釈することで、その探索行動の特性を抽出することが出来た。今後はこの方法をさらに発展させ、0~2歳児にも適用することで探索行動の特性を抽出することが期待できる。(2)については、「かがく遊び」のねらいとそのねらいに沿って考案された教材である「かがく遊びおもちゃ」の作成方法と使用方法について、「0歳からのかがく遊び」と題された書籍にまとめ、出版した。 また0~2歳の全ての年齢に対しての検証実験には至らなかったが、国際幼児教育学会 第44回大会(タイ、バンコク)のワークショップにおいて、Arisom Silp・Roong Aroon校の2~5歳児に対し「タッパーを使った音遊び」を実施し、初期的な効果検証実験を行った。 2023年度の課題については、計画の微修正を行いながら2024年度も引き続き研究を継続していくことで解決していく予定である。 以上の理由から、2023年度の研究は、概ね順調に進展していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度の研究成果を踏まえ、2024年度の研究計画を立案し、それを遂行していく。さらに2024年度の研究成果については、国内外の学会等で発表していく予定である。 具体的には、2023年度に引き続き、0~2歳の「探索行動特性指標」作成のため、探索行動調査を続けていくとともに、(1)「かがく遊びおもちゃ」の開発とその有効性の検証、(2)「かがく遊びおもちゃ」を用いた「乳児のかがく遊びプログラム」の開発を行い、その研究成果を日本理科教育学会・日本乳幼児教育学会・環太平洋乳幼児教育学会(PECERA)・国際幼児教育学会(IAECE)等にて発表し、さらに論文投稿することにより、国際基準で検証を行う予定である。
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