研究課題/領域番号 |
21K02936
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09080:科学教育関連
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研究機関 | 東京都立産業技術高等専門学校 |
研究代表者 |
吉田 健一 東京都立産業技術高等専門学校, ものづくり工学科, 准教授 (60252201)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2025年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 遠隔授業 / アクティブラーニング / 物理教材 / YouTube動画 / Youtube動画 |
研究開始時の研究の概要 |
現在、高等教育機関では、教育効果の高い遠隔授業の実施が求められている。また、知識偏重の傾向がある、高校課程や大学教養課程の物理教育を変革し、物理の概念理解度を向上せる教材や、客観的指標を用いて定量的に学生の学習到達度を把握し、教育効果の高い教材を開発する必要性が高まっている。 本研究では、物理分野の遠隔授業用の動画教材と概念テストを開発し、オープンソースとして公開することを目指す。さらに、学生の学習履歴を、3つの指標(計算問題、概念テスト、動画の個別視聴履歴)を用いて定量分析することで、遠隔環境でも実施可能な、教育効果の高いアクティブラーニング形式の授業形態の確立を目指す。
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研究実績の概要 |
本年度は第一に、遠隔授業に対応した高校物理の熱力学と電磁気学の教材作成に取り組んだ。研究計画では、今年度中に教材作成を完了する予定であったが、本年度中に完成することができなかった。昨年度に開発した力学教材と比較すると、熱力学と電磁気学は抽象的な概念が多く、初学者にとって分かりやすい教材を作成することは予想以上に時間がかかった。しかしながら、教材は50%以上は完成しているので、2023年度中の完成を目指して教材開発に取り組んでいきたい。昨年度開発した基礎力学と、波動分野、微積を用いた力学分野、原子物理分野に関しては、YoutTube上で公開し、利用者の便宜を図っている。動画を公開しているサイトの昨年度1年間の動画視聴回数は10834回で、総視聴時間は1179.4時間となった。 基礎力学の動画教材ページ https://www.youtube.com/playlist?list=PLyrpBIglxu1tGiq-Vl5us-1zzf4yV8EKG 基礎力学の教材ページ http://wwwa.dcns.ne.jp/~rande/1nen-kyouzai/1nen-kyouzai.html 昨年から公開している、上記の基礎力学分野の30本の動画の累計視聴回数は3187回となった。今後の課題としては、視聴回数と視聴時間の更なる増加が上げられる。第二に、力学、波動、微積力学、原子物理分野の概念テストを授業前後に実施し、アクティブラーニング形式と通常の授業方式による、教育効果の違いについて検証した。その結果、物理に関する定性的・定量的理解度の向上のためには、反復学習が効果的であることを見出した。それらを踏まえ、波動と力学分野では教材の改良を実施した。第三に、1年力学分野では、モーションセンサー、スマートフォン、大型ボードを活用した、力学教材の開発に取り組んだ。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は遠隔授業に対応した高校物理の熱力学と電磁気学のの教材作成に取り組み、今年度中に完了する予定であったが、達成することができなかったため。既に作成した1年の基礎力学分野と熱力学・電磁気学分野を比較すると、熱力学と電磁気学は抽象的な概念が多く、初学者にとって分かりやすい教材を作成することは予想以上に時間がかかった。しかしながら、教材の半分以上は完成しているため、来年度中の完成を目指して教材開発に取り組んでいきたい。
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今後の研究の推進方策 |
通常の座学方式と、アクティブラーニング方式の授業における、教育効果の違いを定量的に検証していきたい。そのためには、計算問題を出題した定期テストの点数により、学生の物理の定量的理解度を数値化する。次に概念テストの正解率で学生の物理の定量理解度を数値化し、それらの関係性を定量的に明らかにしていきたい。現在、2つの方式の授業に参加した数百人分の学生データーを蓄積しているので、これらを活用していきたい。
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