研究課題/領域番号 |
21K02938
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09080:科学教育関連
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研究機関 | 統計数理研究所 |
研究代表者 |
新田 直子 (加藤直子) 統計数理研究所, データ科学研究系, 特任准教授 (20377120)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 科学コミュニケーション / リスクコミュニケーション / 社会調査 / 計量分析 / 科学技術リテラシー / 新型コロナ / 感染症 / 行動変容 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、感染症による健康リスクを題材に、情報の文脈がどのように人々のリスク回避行動を喚起しうるのかという問題について、科学リテラシーをはじめとした人々の保有するさまざまな知識との関連において実証することにある。この課題を遂行することによって、科学に関連する情報、知識、リスク意識との関係を精査し、科学の公衆理解に関する新たな科学コミュニケーション・モデルの創出をめざす。
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研究実績の概要 |
現代の新たな感染症リスク問題は、甚大な健康被害や経済社会的被害をもたらしており、「正しく恐れて行動する」ことの重要性が強調されている。しかし、それがいかなる状況下の何に規定され、結果としていかなる具体的行動を指すのかについては、専門家と市民との認識共有がなされていない。本研究の目的は、新たな感染症による健康リスクを題材に、情報と人々が置かれた状況の文脈がどのように人々のリスク回避行動に影響しうるのかという問題について実証することにある。 コロナ禍のなかで政府や専門家は、一日当たりの新規感染者数や病床のひっ迫度、ワクチン接種に関する情報をさかんに発信している。市民は、それらの情報と自身の状況(高齢者と同居か、一人暮らしか、リモートワークが可能な職業か、ワクチン接種済みか等)とを勘案してリスク回避行動をとるか否かを決定していると考えられる。これらの情報や状況が人々の行動変容にどのように影響を与えているかについては多くの専門家の関心事であるものの、情報と状況の組み合わせは無数にあり、実証が困難であった。そこで本研究では、重要と考えらえる複数個の要因を抽出することで、近似的な解決を図った。設定したすべての要因(属性)と水準のすべての組合せに対して、少ないプロファイル数で同等の効果測定を可能とする直交計画による要因実験型調査(コンジョイント法)を適用した。 同一デザインの調査を日本および国際比較調査として2021年度に実施し、その統計分析結果から調査設計の信頼性と妥当性が確認できたたことから、今年度(2022年度)は再度日本において同一デザインの調査を実施した。このことによって、測定精度の確認と結果の安定性を確認することができた。さらに本研究の目的を達成するために最適な統計モデルを選定することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初は、初年度(2021年度)に文献の整理と調査設計を行い、2年目である今年度(2022年度)にフィージビリティ―スタディとしての予備調査の実施を予定していた。しかし、初年度における調査設計が当初の予定より早く進み、2021年12月に予備調査を実施し、調査設計の信頼性を確認することができた。さらに、当初は3年目に予定していた国際比較調査まで前倒しで実施することができた。そのため、今年度はその統計分析を進めるとともに、測定の安定性を確認するための日本調査を再度実施することができた。また、予備的な統計分析の結果から、本研究の目的の達成に適した統計モデルを選定することができた。このことから、当初の計画以上に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の目的の達成に合致した統計モデルを選定することができたため、分析を進め、論文にまとめ、2023年度中に論文として投稿する。投稿後は、国際会議を含め、積極的な研究発表を行う。
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