研究課題/領域番号 |
21K02939
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09080:科学教育関連
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研究機関 | 総務省消防庁消防大学校(消防研究センター) |
研究代表者 |
野村 祐子 総務省消防庁消防大学校(消防研究センター), 技術研究部, 主任研究官 (80358788)
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研究分担者 |
寺田 光宏 岐阜聖徳学園大学, 教育学部, 教授 (40514641)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 初等中等理科 / エネルギー概念 / 火災 / 防火教育 / 教材開発 / 深い学び / 防災教育 / 科学コミュニケーション / 災害教育 / 文脈学習 / 消防 / 中学校理科 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は中学校理科におけるエネルギー概念の理解を深める防火教育教材を開発し評価する。爆発災害における破壊のメカニズムを理解できるようにするため、物質が急激に膨張するときに発生する音と力に着目した「水蒸気爆発」の教材を作成する。また、スプレー缶などの身近な製品に使用される物質の燃焼による爆発災害のメカニズムを理解できるようにするため、物質の拡散混合と反応物質の量的関係に着目した「混合と着火の仕組み」の教材開発を行う。これらに関連する単元の内容を反映させた事前・事後調査問題を作成し、学習効果を検証する。教員の理解を促す技術資料を作成し、完成した教材と併せて公開中のWeb教材に追加する。
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研究実績の概要 |
自然災害に対する防災教育に比べて、学習指導の体系化や教員の理解が遅れている、防火教育の体系化を促すため、また、日常との往還のある深い学びを通してエネルギー概念の理解を深める理科カリキュラム作成を支援するため、初等中等理科の教育課程に沿った防火教材の開発を行った。 2022年度は、小学4年「ものの温まり方」、6年「燃焼の仕組み」、「電気の利用」、高校化学「溶液の性質」、「化学反応と熱・光」、「有機化合物の性質」の内容を発展させる教材の開発を進めた。「ものの温まり方」では、加熱された水が上昇すると同時に周囲の水が流れ込む様子を観察する実験教材を作成し、「燃焼の仕組み」と「海陸風」で扱われる熱対流と関連付けた。また、ろうそく火炎の窒息消火のウェブ教材を公開した。「電気の利用」では、豆電球の光を紙に当てて紙の色による温まり方の違いを観察する実験教材を作成し、虫眼鏡で日光を集めて紙を焦がす実験と関連付け、熱放射のウェブ教材を公開した。 「溶液の性質」では、過冷却水の凝固と過熱水の沸騰を対比した概念地図を作成した。また、蒸発、沸騰、爆発的沸騰の現象の説明に必要な命題群を設定し、段階的に概念地図を詳細化し、さらに過熱水の爆発的沸騰を火災と関連付け、理科と社会科を接続する概念地図を作成した。「化学反応と熱・光」では、物の「燃えやすさ」を科学的に判断するために必要な燃焼の反応過程に関わる概念として、エントロピー概念に着目し、開放系における外界との相互作用の視点から「燃えやすさ」を捉えるための概念地図を作成した。「有機化合物の性質」では、炭化水素とエステルの反応性の違いに着目し、身近な石油製品と食用油の火炎に水(棒状・噴霧)、炭酸水素ナトリウム粉末を注いだときの様子を観察する実験映像を作成した。 今後、冊子教材と解説映像教材を完成させ、初等中等理科における構造化された防火教育カリキュラムを構築する。
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