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対人感情制御における感情表出の機能的役割の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21K02972
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分10010:社会心理学関連
研究機関神戸学院大学

研究代表者

山本 恭子  神戸学院大学, 心理学部, 教授 (50469079)

研究分担者 木村 昌紀  神戸女学院大学, 人間科学部, 教授 (30467500)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
キーワード対人感情制御 / 非言語的行動 / 感情 / 表情 / 視線 / コミュニケーション
研究開始時の研究の概要

対人感情制御とは,他者のネガティブな感情を鎮めようと働きかけることである。対人感情制御は,適切な視線や表情などの非言語行動が伴ってこそ,うまくいくと考えられる。本研究では,対人感情制御においてどのような非言語行動が表出されるのかや,それらの行動が他者の感情や二者間の関係,制御者自身の感情やストレスに及ぼす影響を検討する。これにより,身近な対人関係からクレーム対応に至るまで,現実の対人感情制御場面に応用できる知見を提供したい。

研究実績の概要

本研究の目的は,対人的感情制御としての感情の非言語的行動の役割を解明することである。本研究では,外的な感情制御,すなわち「自らの感情表出によって他者の感情を制御すること」に焦点を当てる。2023年度はコミュニケーション中の即時的な対人感情制御時の制御方略と非言語行動について,場面想定法による質問紙調査を行った。感情による差異についても検討を行うため,怒り,悲しみ,不安,喜び,緊張,焦りの6感情を設け,友人がそれぞれの感情を感じている場面を作成した。調査協力者に作成した場面を想像してもらい,その場面で使用するであろう対人感情制御方略と,その際の非言語行動について回答を求めた。対人感情制御方略と非言語行動の質問項目は,前年度の調査により明らかとなった項目であった。その結果,対人感情制御方略として「認知的サポート」「社会情動的サポート」「感情の増強」「注意の方向づけ」「敵意・否認」「チアアップ」の6因子が,非言語行動として「接触」「受容」「拒否・回避」「強調」「抑制・中立化」の5因子が見いだされた。これらの因子は前年度調査の結果を再現したものであり,頑健な結果であると考えられる。感情の種類により制御方略には差異があり,怒りは他者から否定的な反応を引き出しやすい,悲しみは気持ちに寄り添う方略が使用されやすいといった特徴が認められた。また,すべての感情で「受容」の非言語行動がよく用いられるが,その他の非言語行動は快感情と不快感情で異なることが見いだされた。今後は実験的研究により行動面から対人感情制御方略や非言語行動を検討する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度は,前年度に変更した計画通りに場面想定法による調査を実施することができたため,おおむね順調に進展していると言える。本年度調査の結果,対人感情制御方略として「認知的サポート」「社会情動的サポート」「感情の増強」「注意の方向づけ」「敵意・否認」「チアアップ」の6因子が,非言語行動として「接触」「受容」「拒否・回避」「強調」「抑制・中立化」の5因子が見いだされた。これらの因子は前年度調査と同様であり,的確に対人感情制御方略とその際の非言語行動をとらえる質問紙を作成することができたと言える。また,制御方略や非言語行動の感情による差異も認められた。本調査結果は前年度の結果とあわせて学術誌に投稿中である。今後は作成した質問紙を利用して,後続の調査研究と実験的研究を行う予定である。

今後の研究の推進方策

本研究では,対人感情制御における感情の非言語的行動の役割を解明することを目指す。対人感情制御に影響を及ぼすと考えられる要因として,感情制御要求の高さ,他者の感情強度,二者間の関係性に注目する。
研究1と研究2(2024年度前半に実施予定)では,ターゲットの感情表出(悲しみ・怒り・抑制)と感情の制御要求(高・低)が,制御者の感情制御方略や非言語的行動に及ぼす影響を検討する。実験手続きはPauw et al. (2019) を参考にする。対人感情制御方略の測定において,2022-2023年度に作成した対人感情制御方略の質問紙を使用する。研究1では言語的行動,研究2では非言語的行動を測定することで,自己報告による対人感情制御方略質問紙と対人感情制御中の言語行動や非言語行動との関連について分析を行う。
研究3(2024年度後半に実施予定)では,二者間コミュニケーション場面における対人感情制御の検討を行う。実験は2名1組でのペアで行い,参加者Aに感情喚起手続きを行った後,二者間での会話セッションを行う。会話セッションでは,参加者Bに参加者Aの感情を緩和する目標で会話するように教示し,このときの様子をビデオカメラで撮影する。また,対人感情制御方略の測定に,2022-2023年度調査で作成した質問紙を使用する。研究3はより自然なコミュニケーション中の対人感情制御を扱うことができ,知見の生態学的妥当性の高さにつながると言える。

報告書

(3件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023 2022 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Sorry, Not Sorry: Effects of Different Types of Apologies and Self-Monitoring on Non-verbal Behaviors2021

    • 著者名/発表者名
      Yamamoto Kyoko, Kimura Masanori, Osaka Miki
    • 雑誌名

      Frontiers in Psychology

      巻: 12

    • DOI

      10.3389/fpsyg.2021.689615

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 今ここで,他者の感情をいかに制御するのか?ー短期的相互作用における対人感情制御方略と非言語行動の検討ー2023

    • 著者名/発表者名
      山本恭子・木村昌紀
    • 学会等名
      日本心理学会第87回大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [図書] 感情制御ハンドブック2022

    • 著者名/発表者名
      有光 興記(監修) 飯田 沙依亜、榊原 良太、手塚 洋介(編著) 山本 恭子ほか49名(著)
    • 総ページ数
      432
    • 出版者
      北大路書房
    • ISBN
      4762831824
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書

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公開日: 2021-04-28   更新日: 2024-12-25  

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