研究課題/領域番号 |
21K02975
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10010:社会心理学関連
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研究機関 | 比治山大学 |
研究代表者 |
塚脇 涼太 比治山大学, 現代文化学部, 准教授 (60599702)
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研究分担者 |
井邑 智哉 佐賀大学, 学校教育学研究科, 准教授 (80713479)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ユーモア / 自嘲的ユーモア / 心理学的well-being / 抑うつ / 不安 / 心理的well-being / 縦断的研究 / ポジティブ心理学 |
研究開始時の研究の概要 |
自嘲的ユーモアは,心理的well-beingに有害であると結論付けられてきたが,近年,この結論に対して再考が求められるようになった。我々(Tsukawaki & Imura, 2020)は「自嘲的ユーモアの2次元モデル」を提案した。このモデルは,自嘲的ユーモアには,良性なものと悪性なものの2種類が存在し,それぞれが心理的well-beingに対して正反対の機能を示すという仮説モデルである。本研究では,このモデルの妥当性を検証し,人々の良性な自嘲的ユーモアの育成を目指した介入プログラムの開発を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は,自嘲的ユーモアの2次元モデル(Tsukawaki & Imura, 2020)の妥当性を検証し,人々の良性な自嘲的ユーモアの育成を目指した介入プログラムを開発することである。 令和4年度は,自嘲的ユーモアの2次元モデルの妥当性を検討するために,3つの実験を行い,2次元の自嘲的ユーモアの使用が状態不安に及ぼす影響について調べた。 実験1に参加した大学生は,他者から排斥されるというシナリオを読んだ後に,悪性または良性の自嘲的ユーモアを使用したと想像するよう教示を与えられた。統制条件の参加者は他者から排斥されるというシナリオのみが与えられた。これら3つの条件間で,状態不安の程度に差があるかを調べたが,有意な差は示されなかった。 同じく大学生を対象とした実験2と,社会人を対象とした実験3では,他者から排斥されるという状況において,悪性または良性の自嘲的ユーモアを使用したと想像するだけではなく,その状況で自身が使用するであろう悪性または良性な自嘲的ユーモアを作成し,記述するよう教示した。実験1と同様に,3つの条件間で,状態不安の程度に差があるかを分析した結果,良性の自嘲的ユーモア条件の得点が統制条件よりも低いことが示された。つまり,良性の自嘲的ユーモアの使用は,状態不安を低下させることが明らかになった。 3つの実験結果を総合的にみると,良性の自嘲的ユーモアの使用は,心理的ウェルビーイングにポジティブな影響を与えるという自嘲的ユーモアの2次元モデル(Tsukawaki & Imura, 2020)の妥当性を概ね支持するものであった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究は当初の計画通り進展している。令和4年度は実験研究によって自嘲的ユーモアの2次元モデルの妥当性を確認した。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度も当初の計画に沿って,研究を推進する。具体的には,良性の自嘲的ユーモアを育成するためのプログラムを実施し,その効果を検証する。
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