研究課題/領域番号 |
21K02990
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10010:社会心理学関連
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研究機関 | 追手門学院大学 |
研究代表者 |
石盛 真徳 追手門学院大学, 経営学部, 教授 (70340453)
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研究分担者 |
DEALMEIDABELEM IGOREMANUEL (DEALMEIDAIGOR) 京都大学, 人と社会の未来研究院, 講師 (40868139)
中尾 元 追手門学院大学, 経営学部, 講師 (70846485)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | ライフストーリー / 複線径路・等至性モデル / 心理的文化変容 / 移住者 / 自叙写真法 / 食事写真法 / アイデンティティ / 対話的自己 / 写真投影法 |
研究開始時の研究の概要 |
移住者の心理的文化変容と自己形成プロセスについて、ライフストーリーについての半構造化面接法と写真投影法の一種であるPEN-A(Photo Eliciting Narrative Approach)の両方を用いて検討する。調査は日本在住のブラジル出身者、アメリカ在住の日本人、英国およびニュージーランド在住の日本人等を対象として実施する。データ分析には、個人の人生を時間と共に描くことに適した方法論である複線径路・等至性モデルを使用し、各ケースの個性記述的な検討と、共通点に基づいた類型化を行う。
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研究実績の概要 |
2023年度は、2022年度に収集したニュージーランド在住の日本人移住者9名(男性3名、女性6名)およびブラジル人移住者8名(男性2名、女性6名)のデータ分析を進めた。ニュージーランド在住の日本人移住者を対象にした研究については、日本質的心理学会第20回大会において報告を行った。報告では、各調査協力者のライフストーリーに関する複線径路・等至性モデルによる分析の結果、ニュージーランドへの日本人移住者にとって移住が共通な必須通過点となっているが、かなり幅広い移住プロセスとライフストーリーの多様性が確認されたことについて説明した。そのような移住プロセスの多様性には、「2カ国以上での移住生活の経験」、「就業・起業を目的とした移住」、「職業の専門性を活用しての移住」、「出生時の国籍が日本でないこと」、「第2の人生としての移住」、「移住を目標とする日本人配偶者との出会いによる移住」、「移住後のシングルペアレントとしての子育て経験」など、個人の移住動機や移住後のライフイベントの多様性が影響要因として関与していた。 また、日本在住のブラジル人移住者6名(男性2名、女性4名)に対して、自叙写真法、食事の撮影、ライフストーリーの聞き取りという3つの調査方法を組み合わせた方法を用いて調査を実施した。ブラジル人移住者の調査については、ポルトガル語を母語とする研究分担者が担当し、録音から逐語録を作成し、現在分析を進めている。英国在住の日本人移住者1名についてもライフストーリーの聞き取り調査を実施し、複線径路・等至性モデルによる分析を実施中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ニュージーランド在住の日本人移住者を対象にした研究については学会で研究発表を行い、ブラジル人移住者については分析を進めることができた。さらに、日本在住のブラジル人移住者についての調査も進めることができた。これらの理由から、おおむね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
収集したデータのうち、ライフストーリーについては、引き続き、複線径路・等至性モデル(Trajectory Equifinality Model)による分析を行う。それとともに自叙写真法により収集された20枚の自己を表現する写真、および食事の写真についてもカテゴリー化を行い質的な分析を進める。そして得られた成果については、心理学関連の学会において研究発表を行う。また、日本在住のブラジル人移住者や英国から日本に帰国した日本人移住者等についてもライフストーリー等の聞き取り調査を実施する。
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