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中国の在留邦人の文化適応支援に関する心理学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 21K02991
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分10010:社会心理学関連
研究機関神戸学院大学

研究代表者

毛 新華  神戸学院大学, 心理学部, 准教授 (90506958)

研究分担者 清水 寛之  神戸学院大学, 心理学部, 教授 (30202112)
木村 昌紀  神戸女学院大学, 人間科学部, 准教授 (30467500)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2021年度)
配分額 *注記
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
キーワード文化適応支援 / 在留邦人 / 中国
研究開始時の研究の概要

本研究では,中国日系企業に勤める在留邦人を対象に,彼らの対人関係構築への心理支援を体系的・実証的に行う。
具体的に,個人の認知面から,在留邦人の中国人との対人関係の問題点を抽出し,整理する。そして,対人関係面,在留邦人の対人関係の構築を手助けする社会的スキル・トレーニングパッケージ(SSTPac)を開発する。さらに,文化適応面から,多角的にSSTPacの効果検証を行うとともに,日系企業の研修現場での実装を試みる。最後に,本研究の検証結果に基づいて申請者らがこれまでに提案した日中の文化適応に関する理論を拡張する。

研究実績の概要

本研究の目的は,中国の在留邦人の文化適応への心理支援のありかたを探るとともに,日本と中国の文化適応理論の拡張を図ることである。この研究全体の目的を実現するために,初年度において,中国に滞在する日本人の異文化適応課題を明らかにするために,探索的調査により日本人の日本文化と中国文化の違いに対する認識と意識に関する基礎データを得ることとした。なお,初年度の研究は過去に実施していた既存のデータを本研究計画の目的に沿って再検討して論文化したものである。
中国の4つの都市に滞在する在留邦人53名を対象に,日本人の中国人との対人関係の観点から,日本人が認識している中国人の対人関係の特徴を引き出す3つの質問(質問1. 対人関係で中国人が日本人と異なっている点,質問2.中国人があなたを困らせた点,質問3. 中国人の対人関係の特徴)を設けて,箇条書きで回答を求めて,自由記述調査を行った。
得られた記述内容は,KJ法を用いて整理した。各質問に対して類似した記述をSmall Category(SC)とし,意味の似たSCをMiddle Category(MC)とした。また,3つの質問を横断的に整理することで共通のSCおよびMCを整理・統合した後,複数のMCを縦断的に吟味し,上位概念的なカテゴリー(Big Category:BC)を4つを抽出した。具体的には,ユニークな制度やライフスタイルなど2つのMCが「社会制度・生活スタイルの側面」,自己中心的な強い自己表現など4つのMCが「気質・性格的側面」,プライバシー無視など9つのMCが「対人的側面」,責任感の欠如など2つのMCが「仕事的側面」を構成している。
これらの結果を社会生態学的な観点,そして,記憶との関係について考察された。今後,本研究の結果をもとに大規模な調査を実施し,中国に滞在する日本人の異文化適応課題の構造を実証的に検討する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

1年目に,質的調査で得られた結果を基に,大規模な量的調査を実施し,中国に滞在する日本人の異文化適応課題を構造的に解明することも計画していた。しかし,新型コロナウイルス感染症の影響により,中国への渡航や対面のことが制限されているため,この計画は実現できていない。

今後の研究の推進方策

今後の研究の推進方策として,研究計画書に沿って,以下のように研究を展開する。
「現在までの進捗状況」で言及した「大規模な量的調査」をオンライン調査などの手段を用いて完了させる。それによって明らかにした在留邦人の具体的な「困惑」を材料に,日本人が中国人との関わりの中で,言語・非言語の使い方の違いによる日本人が誤解する/される場面(中国人の視線の多さに怒っていると日本人が誤解する,日本人の笑顔を中国人が見て賛同と誤解する,など)を特定する。その上で,企業のどの対人場面 (e.g. 賞賛,指導,対立,親和など)でこのような齟齬が起きるかを想定し,相川(2009)のSSTの基本的な流れに沿って,その場面で誤解が起きる時の対応・処理のシナリオを用意し,1分間のロールプレイモデルを示す映像を作成する。このようなモデルを,想定される現場の数だけを作成する。複数の映像をまとめて,企業向けのSSTPacとして開発する。

報告書

(1件)
  • 2021 実施状況報告書

研究成果

(14件)

すべて 2022 2021 その他

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 2件、 招待講演 4件) 備考 (2件)

  • [雑誌論文] 大学生のオンラインゲームの利用と援助行動との関連――ゲームの種類,利用時間,そして社会的スキルの観点を含めて2022

    • 著者名/発表者名
      森 聡太・長谷 和久・毛 新華
    • 雑誌名

      パーソナリティ研究

      巻: 30 号: 3 ページ: 170-173

    • DOI

      10.2132/personality.30.3.10

    • NAID

      130008165001

    • ISSN
      1348-8406, 1349-6174
    • 年月日
      2022-02-28
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 中国の遼寧師範大学心理学院(1)―師範大学特有の心理学研究―2022

    • 著者名/発表者名
      毛 新華
    • 雑誌名

      文部科学教育通信

      巻: 524 ページ: 30-31

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 中国の遼寧師範大学心理学院(2)―心理学の実践応用,そして日本を注視した国際交流―2022

    • 著者名/発表者名
      毛 新華
    • 雑誌名

      文部科学教育通信

      巻: 525 ページ: 36-37

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 中国の在留邦人における文化適応課題の検討-日中文化の相違点の認識に関する調査から-2021

    • 著者名/発表者名
      毛 新華 ・清水 寛之・木村 昌紀
    • 雑誌名

      神戸学院大学心理学研究

      巻: 4 ページ: 33-42

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 中国の在留邦人の文化適応課題に関する探索的調査2021

    • 著者名/発表者名
      毛 新華・清水 寛之・木村 昌紀
    • 学会等名
      日本心理学会第85回大会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 日本人と中国人はどのように討議的コミュニケーションを行うのか?―日本人学生と中国人留学生による討議の実験的検討―2021

    • 著者名/発表者名
      木村 昌紀・毛 新華・小林 知博
    • 学会等名
      日本心理学会第85回大会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 日本人と中国人はおしゃべりでいかに関わるのか?―日本人学生と中国人留学生による情緒志向的会話の実験的検討―2021

    • 著者名/発表者名
      木村 昌紀・毛 新華・小林 知博
    • 学会等名
      日本社会心理学会第62回大会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 日本で心理学の勉学・研究および教育に携わった24年間の所感―ソーシャルサポートの観点から―2021

    • 著者名/発表者名
      毛 新華
    • 学会等名
      関西心理学会第132 回大会シンポジウム:留学生として学び,教員として異国で働く―大いに語る大学と心理学―
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 日本心理学会企画シンポジウム(JPAS-008 一般公開):コロナ禍での「留学生ネットワーク」を活用した“つながり作り”と支援2021

    • 著者名/発表者名
      毛 新華
    • 学会等名
      日本心理学会第85回大会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 留学生の日本文化適応と社会的スキル2021

    • 著者名/発表者名
      毛 新華
    • 学会等名
      樫山奨学財団2021年度留学生会合
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 社会科学の叡智を抽出する:アンケート調査の方法2021

    • 著者名/発表者名
      毛 新華
    • 学会等名
      大連外国語大学漢学院学術講演会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] 社会科学の叡智を共有する:学術論文作成のノウハウ2021

    • 著者名/発表者名
      毛 新華
    • 学会等名
      大連外国語大学漢学院学術講演会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 国際学会 / 招待講演
  • [備考] 毛新華のホームページ

    • URL

      http://maoxinhua.com/wp/research/gyoseki

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [備考] 神戸学院大学心理学部2021年度 活動報告 (教育・研究・社会貢献・大学運営)

    • URL

      https://www.psy.kobegakuin.ac.jp/~kgjpsy/katudou/2021.html#name12

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2021-04-28   更新日: 2022-12-28  

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