研究課題/領域番号 |
21K02998
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10020:教育心理学関連
|
研究機関 | 京都教育大学 |
研究代表者 |
田爪 宏二 京都教育大学, 教育学部, 教授 (20310865)
|
研究分担者 |
高垣 マユミ 津田塾大学, 学芸学部, 教授 (50350567)
廣瀬 真喜子 沖縄女子短期大学, その他部局等, 教授 (70605617)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 認知的個性 / 教員養成 / 教師の資質向上 / 実行機能 |
研究開始時の研究の概要 |
大学の教員養成課程における、学生の個性を活かした教育的支援について、主に教育心理学、認知心理学的視点から検討する。①認知的個性を評価するチェックシートを開発し、②各学生への認知的個性の測定・評価及びフィードバックによる教育的支援の効果、③学年進行による縦断的変化、及び④学校種(免許種)間の差異、を明らかにする。さらに、⑤教員養成課程において認知的個性を生かした教育的支援のあり方について検討し、その知見を教員養成大学や教育現場へ還元する。
|
研究実績の概要 |
本研究は、教員養成大学の大学生に対して認知的個性の測定を行い、そのフィードバックが教師としての資質向上に及ぼす影響に関して、養成課程の各段階の特徴及び時系列的変化の過程を検討するものである。 本年度は、主に教育実習前・後の大学3年生、副免許の教育実習及び就職期にある大学4年生を対象に、本研究において開発した「認知的個性を評価するチェックシート」を実施し、その結果をフィードバックし、それを元に各学生に認知的個性を活かした学習の方策について考察させる教育的支援を実施した。また、保育者養成の短期大学において同様の調査を実施した。 調査データは、認知的個性の特徴と教師効力感や授業力、実習における不安等との関連について統計的手法による量的分析を行った。さらに、学生の記述の特徴について、自由記述の質的分析を実施した。その結果、大学生はチェックシートにより自身の認知的個性について認識し、それをもとに実習に臨む際の期待や留意点について考察していた。特に、経年的調査の結果として、学年の進行とともに教育実習における個性の活かし方や留意点についての考察がより具体的になる様子が窺われた。 研究成果について学会等で報告を行い、さらに研究の背景となる認知機能や教員として必要な資質とその養成教育についての情報収集を行った。 但し、コロナウイルス感染症拡大による授業や教育実習への影響は前年度よりも緩和されたものの、経年的なデータに不足が生じており、また回収されたデータについてもコロナ下の影響を踏まえる必要性がある等の事情から、継続して調査を行う必要性がある。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は、主に実習前・後(3年生)及び副免許の教育実習、就職期(4年生)の大学生を対象に、前年度に開発した「認知的個性を評価するチェックシート」の実施と分析を行った。 コロナウイルス感染症拡大による授業や教育実習への影響は前年度よりも緩和されたものの、前年度以前のコロナ下で生じた調査の不足を補う必要があり、特に経年的なデータに不足が生じており、また回収されたデータについてもコロナ下の影響の勘案等の事情から、追加、継続して調査を行う必要性がある。 上述の状況から、本研究課題の進捗にやや遅れが生じていると判断した。
|
今後の研究の推進方策 |
「現在までの進捗状況」の項でも述べたとおり、昨年度以前のコロナウイルス感染拡大の影響に伴う調査の不足を補う必要があり、特に経年的なデータに不足が生じている。このため、共同研究者や所属機関とも協議の上研究計画を見直し、研究期間を当初の2023年度から2024年度に延長し、改めて調査の実施と調査データの経年比較を行うこととする。 その上で、調査データを総合的に分析し、養成課程において「認知的個性」を活かしながら質の高い授業力を持つ教師を養成するための教育的支援の具体的手法を策定する。それらの結果を踏まえ、養成課程をもつ大学や教育現場へ教員養成のあり方についての情報の発信、提言を目指す。
|