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国内縦断的および文化横断的に捉え直す意味づけの共同構築としての子どもの発達

研究課題

研究課題/領域番号 21K03010
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分10020:教育心理学関連
研究機関立正大学

研究代表者

岡本 依子  立正大学, 社会福祉学部, 教授 (00315730)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
キーワード親子関係 / 縦断研究 / 他者性 / 母親観 / 父親観 / 子ども観 / 文化横断的研究 / 意味づけ / 見守り保育 / ECEC / 横断研究 / 国内縦断 / 文化横断 / 文化化
研究開始時の研究の概要

本研究では、文化によって異なるリスクの意味づけを捉えようとする横断的視点、および、生涯発達的に家族ダイナミクスの変遷からリスクを捉えようとする縦断的視点の両方から検討したい。子どもと養育者・保育者の発達を、自身の行為、環境や状況の意味の獲得、および、その意味の再構築としての“文化化”と捉え、明らかにすることを目的とする。そのため、以下の2つの研究プロジェクト;(1)北欧とアジアの保育・幼児教育実践におけるリスクと大人の見守り、および、(2)国内データについては妊娠期から青年期までの縦断研究データを用いて長期的視点からのリスクという2つのプロジェクトを遂行する。

研究実績の概要

文化化とは、子どもが人とのかかわりのなかで、行為や出来事の文化的意味を身に付け、それを使いながら再構築していくプロセスであり、子どもの発達そのものといえる。本研究では、大人とのかかわりのなかで顕在化する日常的リスクに着目することを通して、子どもの文化化を縦断的(国内長期縦断研究)および横断的(海外のECEC研究)に捉えようとするものである。
当該年度は、国内長期縦断研究において分析を進めた。まず、妊娠期の胎動日記および誕生後の親子コミュニケーションのデータを再分析・再検討した。妊娠期には、胎動によって胎児との一体感を感じる一方で、不快感情、わからなさ、別個体という感覚を経験し、誕生後には、コミュニケーション相手として乳児の不完全さから非対称性を経験する。身体的な有限性と子どもの他者性という日常的リスクを経るプロセスとして親子の発達を捉えなおした。
また、母親/父親が妊娠期から子どもが二十歳になるまで母親観、父親観および夫婦観を検討した。母親37名、父親15名を回答者とした文章完成法データのうち、「母親」「父親」「夫婦」および「家族」を語幹とした回答文2,585文を対象とし、KH Coderを用いて分析した。その結果、母親の母親観として「一緒(に)成長」「元気(で))健康(な)子ども」といった肯定的側面、あるいは、「責任(が)重大(で)疲れる」という負担感が表れていた。さらに、母親の父親観として「忙しい」「怒る」「怖い」、 あるいは、「母親」を含めて「子ども(と)遊ぶ」イメージが見いだされた。父親の母親観として「偉い」「大変」「拠り所」「一番・身近」「必要」という語彙群から母親中心の育児がイメージされており、父親の父親観として「家族/家庭」「仕事」「養う」「働く」「外」といった語彙から父親の子どもというより家族への責任が捉えらた。母親/父親の父親観/母親観のずれがみられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

国内縦断データの分析については、ある程度分析および再分析を進め、著書(分担執筆)および学会発表として一定の成果を得た。海外ECEC実践についての文化横断研究については、昨年度論文が採択され一定の成果が得られているが、一方、新たな展開についてはコロナ後のフィールドの受け入れ(海外園)に困難がある。

今後の研究の推進方策

今後の研究の推進方策として、まずは国内縦断データの分析をさらに進め、論文を執筆する。また、同プロジェクトにおいて収集されている長期育児日記については、テキスト化を8割程度進めることができた。今後は、テキスト化を完了させたうえで、子育てのテーマの変遷について検討したい。
また、文化横断研究については、ECEC実践のフィールドである園との調整を続ける。

報告書

(3件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 研究成果

    (8件)

すべて 2024 2023 2022 その他

すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件) 図書 (1件)

  • [国際共同研究] Oslo Metropolitan University(ノルウェー)

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [国際共同研究] Oslo Metropolitan University(ノルウェー)

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [雑誌論文] Mimamori childcare in Japanese and Norwegian early childhood education2023

    • 著者名/発表者名
      Greve Anne、Okamoto-Omi Yoriko
    • 雑誌名

      Journal of Early Childhood Research

      巻: - 号: 2 ページ: 212-223

    • DOI

      10.1177/1476718x221149375

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] 文化心理学からみたエエスノグラフィ2024

    • 著者名/発表者名
      サトウタツヤ・神崎真実・土元哲平・麻生武・岡本依子
    • 学会等名
      日本発達心理学会第35回大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 母親や父親はどのような親のイメージをもつか―長期縦断研究からみる親子の発達(4)―2023

    • 著者名/発表者名
      岡本依子
    • 学会等名
      日本パーソナリティ心理学会第32回大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 長期フィールドワークを支えるこころの働き~長期フィールドワークはしんどいのか~2023

    • 著者名/発表者名
      高橋康介・小島康生・島田将喜・松浦直毅・岡本依子・木村大治
    • 学会等名
      日本心理学会第87回大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] What is Children Like for Japanese Parents? : Longitudinal SCT Data from Japanese Mothers and Fathers.2022

    • 著者名/発表者名
      Yoriko Okamoto-Omi
    • 学会等名
      The Second international Childlife Conference
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [図書] かだらがかたどる発達:人・環境・時間のクロスモダリティ2024

    • 著者名/発表者名
      根ヶ山光一・外山紀子・岡本依子・他
    • 総ページ数
      447
    • 出版者
      福村出版
    • ISBN
      9784571230691
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2021-04-28   更新日: 2024-12-25  

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