研究課題/領域番号 |
21K03023
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10020:教育心理学関連
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
島田 英昭 信州大学, 学術研究院教育学系, 教授 (20467195)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 学習 / アバター / 動画 / 感情 / 共感 / 動機づけ / eラーニング |
研究開始時の研究の概要 |
eラーニング等の学習教材では、情報伝達目的においては無駄とも思われる「教授者(教師)や教授アバター(教師役の擬人キャラクター)の画像や映像」が添付されることが頻繁にある。本研究は、テキストおよび映像教材を対象として、(1)学習時の教授アバターの使用状況、(2)教授アバターの感情的機能(動機づけ、共感)とその学習効果を検討する。
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研究実績の概要 |
eラーニング等の学習教材では、情報伝達目的においては無駄とも思われる「教授者(教師)や教授アバター(教師役の擬人キャラクター)の画像や映像」が添付されることが頻繁にある。本申請は、テキストおよび映像教材における「教授アバター」を対象として、(1)学習時の教授アバターの使用状況、(2)教授アバターの感情的機能(動機づけ、共感)とその学習効果を検討する計画である。 2022年度は、以下の3点を行った。 第一に、2021年度に実施した研究成果の報告を行った。2021年度の研究では、アバターを含んだ防災マニュアルを作成し、その評価を行った。その結果、動画のわかりやすさについては肯定的評価が約94%、アバターの必要性に対しては肯定的評価が約79%であった。アバターがある動画とない動画の閲覧後に相対的な評価を行った結果、おもしろさについてはアバターがある動画に対する肯定的評価が約93%であった一方、わかりやすさについては約59%と比較的低かった。また、アバターがある動画閲覧時にアバターを見ていたという回答が約76%であった。 第二に、アバターを含んだ対話を観察する状況において、観察の視点を上、横、後方(一方の話者の後方から)、目線(一方の話者の目線から)の4条件設定し、好感度、会話の分かりやすさ、話者の視点獲得の3つの印象をそれぞれ3項目の質問により評価した。その結果、全般的に上の評価が低く、好感と会話の分かりやすさについては横、後方、目線で同等程度であるが、話者の視点獲得については目線の評価が高いことが明らかになった。ここから、全般的に目線の有効性が高く、話者の視点獲得を通して好感度、会話の分かりやすさを高めているのではないかと推察できる。 第三に、メタバースを題材とした関連研究、2023年度以降の実験実施に向けた材料作成と資料収集を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
計画では2021-2022年度に教授アバターを含む教材の評価を行うことになっている。研究実績の概要に述べた通り、実験的検証を行い、一定の結果を得ている。一方で、2022年度内にオンライン実験を実施する予定であったが、技術的問題により2022年度は実施できず、2023年度に持ち越された。以上から、やや遅れていると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度の報告で述べた通り、当初は代表者がこれまでに行ってきた「教授者映像」の効果を検討した方法と同様の実験手続きを用いる予定であったが、当初計画の実験手法にこだわるよりも、「研究実績の概要」に述べたようなより簡便な手法の方が、効率的に研究を進められるのではないかと考えている。そのため、当初予定の手法を一部変更しながら、当初予定の研究目的である、教授アバターに注意が向けられているか、教授アバターを含んだテキスト・映像教材を学習者は選択するかという問題を明らかにしていく予定である。同様に2021年度の報告で述べた通り、アバターの表現方法がメタバースの流行と共に多様化しているので、実験的検証として特定のアバター表現を用いながらも、さまざまなアバター表現に知見が一般化可能であるかを、時にはアバター表現間の比較をしながら明らかにする必要があると考えており、2022年度には一部を実現した。一般に利用できる技術的な進展を追いながら、研究方法・研究内容を選択していく予定である。これらの方針は今後も継続される。 また、オンライン実験環境を構築し、実験を効率化する予定である。技術的な問題を年度内にクリアーし、実験を開始する予定である。
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