研究課題/領域番号 |
21K03024
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10020:教育心理学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
明地 洋典 京都大学, 教育学研究科, 准教授 (50723368)
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研究分担者 |
菊池 由葵子 東京大学, 大学院総合文化研究科, 助教 (90600700)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 自閉スペクトラム / 認知科学 / 行動科学 |
研究開始時の研究の概要 |
これまでの自閉スペクトラム者を対象とした研究は、弱みや困難など、自閉スペクトラム特性の負の側面に焦点を当ててきた。支援によって困難を軽減するという視点は重要であるが、特性は環境次第では強みとしても機能する。本研究は、自閉スペクトラム特性が活きる環境を実験的に探る。これまでに明らかになっている自閉スペクトラム者の認知・行動上の特徴をもとに、それらが強みとして働き得る環境を実験課題として設定する。これにより、自閉スペクトラム者がその特性によって直面する困難の軽減に留まらず、特性を発揮できる社会を考える上での基礎となるデータを提出することを目指す。
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研究実績の概要 |
昨年度の実験において、自閉スペクトラム者についても非自閉スペクトラム者についても大きな係留効果(anchoring effect)が確認された。この係留効果は、事前に呈示された値が基準(錨; anchor)となって後の判断に影響を及ぼすことを指す。昨年度の実験では、事前に大きな値、または、小さな値を示す条件間の比較を行い、基準を示さない場合と基準を示した場合の差は検討していなかった。今年度は、自閉スペクトラム者と非自閉スペクトラム者を対象に、昨年度と同じく石の課題(重さ判断)と星の課題(距離判断)を用いて、基準を示さない条件と基準として大きな値を示す条件を設け、両者の間の比較を行った。その結果、昨年度と同様に、自閉スペクトラム者においても、非自閉スペクトラム者においても、大きな係留効果が確認された。石の課題では、自閉スペクトラム者と非自閉スペクトラム者に同程度の係留効果が見られた。星の課題では、自閉スペクトラム者の方が非自閉スペクトラム者と比較して係留効果が小さい可能性が示唆された。しかし、星の課題において自閉スペクトラム者が見せた係留効果が小さいという傾向は、基準を示さなかった条件で非自閉スペクトラム者よりも大きな値を答えていたことによるものであったため、係留効果自体の大きさが両者の間で異なると結論づけることはできないかもしれない。また、どちらの課題においても、群間の差よりも個人差(群内のばらつき)の方が大きく、係留効果自体がかなり大きかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナウイルス感染拡大による研究上の制限があったが、本課題については工夫によって想定していたような実験を実現することができたため。
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今後の研究の推進方策 |
自閉スペクトラム特性が強みとして働き得る環境を探るという本研究課題の目的に適した実験条件の設定を行う。
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