研究課題/領域番号 |
21K03033
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10020:教育心理学関連
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研究機関 | 東京福祉大学 |
研究代表者 |
成本 忠正 東京福祉大学, 心理学部, 教授 (60434560)
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研究分担者 |
松浦 直己 三重大学, 教育学部, 教授 (20452518)
麻生 奈央子 東京福祉大学, 心理学部, 講師 (10945893)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | ワーキングメモリ / ADHD / トレーニング / 発達障害 / 特別支援教育 / ADHD児 / 算数力 / 視空間ワーキングメモリ / 認知トレーニング / トレーニングの転移効果 / トレーニング効果 / 発達障害児 |
研究開始時の研究の概要 |
ADHD児の視空間ワーキングメモリ能力を定期的にトレーニングすることによって,その能力の向上が保持課題への遂行能力が向上するのか,さらには異なる課題の遂行能力にも転移するのかを検討する。具体的には,近転移(すなわち,本研究の視空間ワーキングメモリ課題に類似する保持課題の成績が向上するのか否か)の確認をする。さらには,遠転移(すなわち,問題解決や推論を伴う高次認知検査および算数や国語などの教科学習の成績が向上するのか否か)の確認をする。
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研究成果の概要 |
視空間性ワーキングメモリは高次課題遂行に重要な役割を担う。本研究では、これまでとは異なる認知課題を用いてADHD児のワーキングメモリをトレーニングし、その効果が算数の計算能力と図形読解能力に転移するのかを検討した。ADHD児を2グループに分け、グループ1にはワーキングメモリ、グループ2には視空間短期記憶のトレーニングを行った。その結果、計算問題の成績にグループ間の相違は認められなかったが、図形読解に関してはワーキングメモリのトレーニングを受けたグループ1の方が有意に高かった。本研究は研究代表者が考案した認知課題を用いることでADHD児の算数能力を向上させることが可能であることを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ADHDを抱える児童生徒のワーキングメモリ能力の弱さは学習成績の低さの主たる原因であると考えられている。公的研究機関・民間企業を問わずADHD児のワーキングメモリトレーニングが行われ、教科学習への効果が検討されてきた。その効果に関しては否定的な結果が存在する。本研究では、これまでとは異なるトレーニング課題を用いて、トレーニングによる彼らの算数能力への転移効果を検討した。その結果は、ADHD児の図形読解成績が向上することを示している。学校教育では、特にADHDを抱える児童生徒にどのような学習支援を提供すればよいのか、試行錯誤が続いている。本研究成果は教育現場に直接的な貢献をもたらすものである。
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