研究課題/領域番号 |
21K03042
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10030:臨床心理学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
杉江 征 筑波大学, 人間系, 教授 (70222049)
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研究分担者 |
田附 あえか 大正大学, 心理社会学部, 准教授 (60550556)
慶野 遥香 筑波大学, 人間系, 助教 (10633224)
堀田 亮 岐阜大学, 保健管理センター, 准教授 (10733074)
菅原 大地 筑波大学, 人間系, 助教 (10826720)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 大学生 / 学生生活 / 心理社会的成長 / 体験 / 成長 / 意味づけ |
研究開始時の研究の概要 |
学生が学生生活の中で心理社会的に成長しているとも解釈できる研究結果も得られている。学生は,学生生活の中で,他者と出会い,自己と出会い,そして学問と出会う。本研究は、学生生活における様々な体験が学生の自己の形成にどのように寄与するかについて明らかにしようとするものである。具体的には,学生生活の中のどのような体験が,学生の自己成長に寄与するかについて,体験の意味づけやまとめ方という視点を取り入れながら,実証的にモデル化を図る。
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研究実績の概要 |
本年度は、学生生活における大学生の心理社会的成長とその要因に関する探索的検討を行った。具体的には、これまでの調査を踏まえて、学生生活の中の①どのような体験の②どのような特徴が、学生の③どのような成長に寄与しているのかを探索的に検討した。 自由記述による質問紙調査を行い、234名から回答が得られた。得られた回答を、JK法を援用してそれぞれの回答項目でカテゴリー化の分類を行い、それらの関連を検討するために、クラスター分析と数量化Ⅲ類を用いて、解釈可能なパターンを抽出した。 その結果、3パターンが抽出された。パターン1は、「アルバイトや課外活動、プライベートや対人関係」などの体験で、それらの「練習やトレーニング、趣味、ヒトとのかかわりや働くこと」が、「コミュニケーション能力、他者との関係を構築・運営する能力」に役立つ。バターン2は、「自己開発、勉学・研究、娯楽・余暇活動」などの体験で、それらの「社会人経験、苦労した経験、ネガティブな経験、勉学での努力・主体的な学び、自己成長の試み」が、「自律性、対応力、課題解決、実用的な能力獲得」に役立つ。パターン3は、「生活」の体験で、「自分自身で課題を遂行した経験、お金に関する経験、料理や日常生活のスキル」が、「管理能力」に役立つというものであった。 これらの結果から、学生生活での大学生の自己成長に関して、それぞれ3つのカテゴリーでの経験がそこでの経験の特徴により、社会的な機能・能力の領域や個人の内面的な領域、自律性や自立に関する領域での成長に寄与していることを示すことができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は、学生生活の中の①どのような体験の②どのような特徴が、学生の③どのような成長に寄与しているのかについて、その関係を明示することを計画していた。自由記述を用いた調査により、そのつながりのパターンや要素の抽出はできたが、次の段階である、より量的な実証的な検討までには完了できなかった。現在、その準備をしており、次年度実施する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、学生生活の中の①どのような体験の②どのような特徴が、学生の③どのような成長に寄与しているのかについて、それぞれの尺度を作成し、関連要因を測定する尺度と心理社会的成長を測定する尺度を合わせて実施し、実際の成長とそれに寄与する要因の関係を、WEB調査を用いて実証的に検討する予定である。
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