研究課題/領域番号 |
21K03045
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10030:臨床心理学関連
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研究機関 | 奈良女子大学 |
研究代表者 |
梅垣 佑介 奈良女子大学, 生活環境科学系, 講師 (00736902)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 認知行動療法 / 反すう / うつ / 不安 / 介入研究 / ケース・シリーズ |
研究開始時の研究の概要 |
反芻焦点化認知行動療法(rumination-focused cognitive-behavioral therapy; RFCBT)は、うつ病や不安症に共通してみられる反すう思考を扱う新しい心理療法である。RFCBTは複数の効果研究から有効性が示されており、我が国での展開が期待されるが、我が国でどのように実践・展開するべきか、効果をどう測定するかといった点が未検討である。そこで本研究では、RFCBTの我が国での実践を促進するため、(1)効果の最適な評価方法の検討、(2)実践に基づく有効性と妥当性の検討、(3)英文で書かれたマニュアル翻訳による普及、という三本柱で研究を行う。
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研究成果の概要 |
反すうに対する支援法である反すう焦点化認知行動療法(RFCBT)に関連して,(1)測定指標,(2)実践,(3)普及という3つの観点から研究・活動を実施した。(1)測定指標については,反すうおよびそれと抑うつとの関連を英国と日本で比較検討した。反すうは英国で高く,横断的関連は日本より英国で強いものの,我が国においても抑うつと関連することが示された。(2)実践に関しては, 反すう・心配しやすい女子大学生を対象にRFCBT自助プログラムの有効性を多層ベースライン法を用いて検討した。(3)普及活動として,RFCBTの支援者向けマニュアル(Watkins, 2016)の翻訳版を刊行した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
第一に,反すうの特徴や抑うつとの関連はこれまで欧米のサンプルで検討されており,我が国のサンプルにおいては従来十分なデータがなかった。本研究課題の実施により,我が国のサンプルにおける反すうの記述的特徴に関するエビデンスが得られ,反すうに焦点化した支援を行う根拠の一つとなると考えられる。第二に,RFCBTの有効性をデータから示したことで,RFCBTが我が国の人口においても役立ち得ることを原理証明的に示した。最後に,そのように有効な方法の普及に努め,支援者向けのマニュアルの翻訳を行ったことで,支援の裾野が広がり,我が国でのより良い実践に向けて多様なフィードバックが得られる基盤を整えた。
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