研究課題/領域番号 |
21K03046
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10030:臨床心理学関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
小山 明日香 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 助教 (50710670)
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研究分担者 |
松下 正輝 甲南女子大学, 人間科学部, 講師 (30615935)
石川 智久 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 特定研究員 (60419512)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 認知症 / 認知機能低下 / アルツハイマー型認知症 / レビー小体型認知症 / 認知機能検査 / 神経心理検査 / DESH / アルツハイマー病 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、認知症患者の認知機能低下の経年変化を縦断的に分析することである。これまで多くの神経心理学的な先行研究により、認知症原因疾患であるアルツハイマー型認知症やレビー小体型認知症等の認知機能の特徴が解明されてきたが、本研究では、それらの認知機能がどのような速度でどの認知ドメインから低下していくのか、という縦断的な推移を明らかにする。複数の認知機能検査の詳細なデータを用いて、原因疾患ごとの比較や、若年発症/高齢発症ごとの比較、認知ドメインの詳細な分析等も行う。地域コホートデータを用いた研究では、MRI画像による脳の各部位の萎縮の程度と認知機能低下の経年変化との関連についても検討する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、認知症原因疾患ごとの認知機能低下の経年変化について検討することである。認知症の原因疾患として代表的な、アルツハイマー型認知症(AD)とレビー小体型認知症(DLB)について、縦断的な臨床データを用いて検討した。AD患者59名、DLB患者12名ぞれぞれについて、初診時、1年後、2年後、3年後の計4回の認知機能検査データを分析した。認知機能検査は、Mini Mental-State Examination (MMSE)、Frontal Assessment Battery(FAB)、数唱課題、Clock Drawing Test(CDT)、遅延再生課題等である。分析には、二元配置分散分析(一要因に繰り返しのある、一要因に繰り返しのない)を用いた。その結果、初診時の認知機能に関してはDLB患者のほうがAD患者よりも全体的に多少得点が低かったが、ADでは4年間の間に一定の低下が認められ、DLBでは低下があまり目立たず、検査によってはむしろ得点が上昇するという特徴があった。本研究の対象者は適切な治療を継続的に受けた患者であり、認知症患者の認知機能が一定の治療のもとでどのように推移するのかを検討した結果である。対象者の数が限定的であり、また、治療当初は軽度認知障害レベルであったが治療経過のなかで認知症にコンバートしたものを含むため、全体として軽症の患者を対象としていることに注意が必要である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
認知機能の長期的な推移に関する研究はおおむね順調に進んでいる。一方、一般地域住民の認知機能と脳画像データを用いた分析を本研究の一部として実施する予定であったが、それに関しては脳画像データ収集が困難な状況となっており、計画を一部変更して行うこととしている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は現在の方針を大きく変更することなく研究を進める。一方、上記のとおり一部計画を変更しなければならない箇所に関しては、二次データ利用などの方法を用いて脳画像データと認知機能データを用いた分析を進める。
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