研究課題/領域番号 |
21K03060
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10030:臨床心理学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター |
研究代表者 |
金子 響介 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 認知行動療法センター, 科研費研究補助員 (80848333)
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研究分担者 |
伊藤 正哉 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 認知行動療法センター, 部長 (20510382)
浜村 俊傑 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 認知行動療法センター, 特別研究員 (20866470)
藤里 紘子 関西大学, 社会学部, 准教授 (50610333)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | インターネットゲーム障害 / ゲーム障害 / 児童青年期 / 児童 / 青年 |
研究開始時の研究の概要 |
インターネットゲーム障害(Internet Gaming Disorder;IGD)は、米国精神医学会による精神疾患の診断と統計マニュアル第5版(DSM-5)において、今後研究が進められるべき精神疾患として注目されている。世界保健機関による国際疾病分類第11版では、ゲーム障害(Gaming Disorder;GD)に含まれる。IGD/GDは主に児童青年期において機能障害を引き起こし、社会問題化している。しかし、国内で評価尺度は標準化されておらず、関連症状・諸要因を検討した研究も限られる。本研究では、IGD/GDの日本語版評価尺度の標準化し、併存症状・心理社会的リスク要因を縦断的に検討する。
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研究実績の概要 |
本研究は、児童・青年におけるインターネットゲーム障害(Internet Gaming Disorder; IGD)ならびにゲーム障害(Gaming Disorder; GD)について、①国外で使用されている評価尺度の日本語版を作成し標準化すること、および②関連する併存症状と心理社会的リスク要因を縦断的に検討することを目的としている。 2年目である2022年度は、初年度に着手したゲームに関する動機を測定できるMotives for Online Gaming Questionnaire(MOGQ)の翻訳作業および認知デブリーフィングを行った。具体的には、2つの順方向翻訳を調和することで作成された日本語訳について、英語を母国語とし日本語に精通する海外大学院の修士号を有する2名が独立して英訳する逆方向翻訳を実施した。その後、原著者らと研究チームで作成された2つの逆方向翻訳を比較・検討し、1つの英訳に統合する調和作業を行った。原版と調和された英訳を比較し、明らかな意味的な乖離や問題点が同定された際には、調和された日本語訳を修正し、改めて英訳を実施した。原版と逆方向翻訳の意味的等価性が確認された時点で日本語訳を確定し、日常的にオンラインゲームをしている児童・青年を対象に認知デブリーフィングのための面接調査を実施した。面接調査では、作成された日本語版MOGQの言語的妥当性や内容的妥当性を評価するため、尺度に対する理解度や尺度の包括性について半構造化形式で質問し回答を得た。また、初年度に実施したパイロット調査の成果を学会発表した。加えて、初年度に倫理申請を終えた縦断調査について、1時点目の調査を実施し終えた。さらに、MOGQの信頼性・妥当性を検証する調査のプロトコル作成と倫理申請を終え、調査実施の承認を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度の報告のとおり、当初の計画から軽微な変更を余儀なくされたが、変更後は計画に沿って尺度の翻訳作業を完了し、標準化のための調査に着手できた。また、実施済みのパイロット調査については成果公表できた。さらに、併存症状・心理社会的リスク要因の縦断的検討のための調査については1時点目の調査が完了し、2時点目の調査実施に着手している。そのため、おおむね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
評価尺度の標準化については、倫理委員会の承認を得て調査に着手している状況であるため、2023年度前半に調査を完了し、後半には解析と論文化を進める。 パイロット調査のデータについては、現在解析と執筆を進めている状況であるため、2023年度中に投稿を目指す。 縦断調査については、2時点目の調査に着手している状況であるため、完了次第、解析と論文化を進める。
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