研究課題/領域番号 |
21K03068
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10030:臨床心理学関連
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研究機関 | 長崎純心大学 (2023) 長崎大学 (2021-2022) |
研究代表者 |
小川 さやか 長崎純心大学, 人文学部, 講師 (80629171)
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研究分担者 |
古林 正和 長崎大学, 保健センター, 准教授 (00380874)
木下 裕久 長崎大学, 保健センター, 准教授 (10380883)
田山 淳 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (10468324)
西郷 達雄 北海道医療大学, 心理科学部, 講師 (50622255)
室田 浩之 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 教授 (90363499)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 原発性局所多汗症 / 不安 / Quality of Life |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,多汗症症状に対する不安尺度の開発を行い,信頼性および妥当性を検証し(研究①),多汗症症状に対する不安が多汗症症状の重症度,QOLに与える影響を明らかにする(研究②)。さらに,作成した多汗症症状に対する不安尺度の有用性の検証を行い(研究③),多汗症症状の不安に有効な心理療法(認知行動療法)の開発につなげる(研究④)。
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研究実績の概要 |
原発性局所多汗症(以下多汗症)は,頭部・顔面,手掌,足底,腋窩に,日常生活に支障をきたす程の大量の発汗を生じる状態である。多汗症患者は汗で書類が濡れてしまうのではないか,自分が触ったものに汗がついていないか心配になるなど,多汗症症状による不安を日常的に感じており,Quality of Life (QOL)の低下も報告されている。しかしながら,多汗症症状に特化した不安のアセスメント方法は確立されていない。そこで本研究では,多汗症症状に対する不安尺度の開発を行い,信頼性および妥当性を検証し,多汗症症状に対する不安が多汗症症状の重症度,QOLに与える影響を明らかにする。さらに,作成した多汗症症状に対する不安尺度の有用性の検証を行い,多汗症症状の不安に有効な心理療法の開発につなげる。 令和5年度は,多汗症症状に対する不安尺度の信頼性と妥当性,多汗症症状に対する不安が重症度,QOLに与える影響について統計解析を行い,その結果を論文化した。統計解析の結果から,多汗症症状に対する不安尺度は因子10項目が抽出された。「多汗症症状に特化した不安尺度」と「多汗症の重症度」,「汗によって誘発される不安」には中程度の正の相関がみられた。また,多汗症有症状者は多汗症無症状者に比べて,多汗症症状に特化した不安得点が有意に高かった。これらの結果を日本心理学会第87回大会および第122回日本皮膚科学会総会にて学会発表を行った。学会発表や共同研究者とディスカッションを行った結果を元に論文を行い,BioPsychoSocial Medicineに投稿し,受理された。また,令和5年度は多汗症症状の不安に有効な心理療法に関する文献研究を行い,介入プログラムの検討を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和5年度は,開発した多汗症症状に対する不安尺度について妥当性と信頼性を検証および多汗症症状に対する不安が重症度,QOLに与える影響について検証を行い,BioPsychoSocial Medicineに投稿し,受理された。また,令和4年度に続き,多汗症症状の不安に有効な心理療法の開発の準備として主に文献研究を行った。 しかしながら,研究代表者の所属機関の変更に伴い,倫理委員会の申請準備や介入準備に十分な時間を取ることができなかった。そのため,介入実施まで到達することができなかった。これらのことからやや遅れていると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度は,多汗症症状に対する不安の軽減を目的とした心理療法について,倫理委員会の申請を行い,倫理委員会の承認が得られ次第,リクルートを開始する。インフォームド・コンセントの得られた対象者に介入を実施し,介入が終わり次第,これまでに作成した多汗症症状に対する不安尺度および既存の多汗症の重症度や皮膚疾患に特異的なQOL尺度等を用いて効果検証を行う。これらの結果について共同研究者とディスカッションを行い,学会発表および論文投稿を行う予定である。
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