研究課題/領域番号 |
21K03074
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10030:臨床心理学関連
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研究機関 | 江戸川大学 |
研究代表者 |
山本 隆一郎 江戸川大学, 社会学部, 教授 (30588801)
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研究分担者 |
浅岡 章一 江戸川大学, 社会学部, 教授 (80386656)
西村 律子 江戸川大学, 社会学部, 准教授 (10757727)
野添 健太 江戸川大学, 社会学部, 講師 (90824318)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 不眠 / 注意バイアス / 認知モデル / 認知行動療法 / 睡眠 / 不眠障害 / 認知課題 |
研究開始時の研究の概要 |
不眠の訴えの背景には様々な病理が考えられ、鑑別診断に基づいて治療や介入法が選択される。しかし、例えば慢性不眠障害による入眠困難と睡眠覚醒相後退障害による寝つきの悪さの弁別が難しいといった鑑別の困難さが指摘されている。本研究では、慢性不眠障害に特有であるとされる注意バイアス(睡眠関連刺激に情報処理資源が奪われるという認知的特徴)を評価する認知課題を開発し、大学生を対象に予備的な検討を行い、慢性不眠障害患者と不眠を主訴とするその他の睡眠障害患者との課題成績の違いを検討する。このことを通じて、不眠の精神病理学に関する基礎的知見の蓄積、不眠臨床における診断・査定と治療・支援に資することを目的とする。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、慢性不眠障害に特有な認知的特徴として注目されている注意バイアス(睡眠関連刺激に情報処理資源が占有される特徴)を評価するための日本版認知課題の作成、認知課題成績と睡眠関連変数との関連性の検討、慢性不眠障害患者と健康対照群との成績差を検討することである。2021年度・2022年度に行った「認知課題用刺激選定研究(研究1)」の成果を踏まえて開発されたドットプローブ課題を元に、2023年度は調査会社を活用したウェブベースでの横断調査研究を実施した(研究2)。本研究では、現在医療受診のない成人100名を対象にオンラインアンケートならびにブラウザベースでの認知課題を実施した。解析の結果、不眠症状を有する者と不眠症状を有さない者との間に統計学的に有意な認知課題の成績差(注意バイアスの違い)は認められなかった。海外で実施された同様の一般成人を対象とした研究においても不眠症状がない者と軽度な不眠症状を有する者との間に有意な成績差がないことが報告されている。一方、系統的レビューでは、不眠の無い者と慢性不眠障害患者との間には中程度の効果量での有意差が報告されている。今後の研究では、研究2のデータと慢性不眠障害患者とのデータ比較を行う予定である。なお、本研究2の成果ならびにオンラインアンケートとブラウザベースでの認知課題実施を組み合わせる新しい研究手法の詳細を日本健康心理学会第36回大会(2023 年 12 月 2(土)・3 日(日) 神奈川大学みなとみらいキャンパス)において発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究開始時点より、COVID-19の流行が続いていたため、「認知課題用刺激選定研究(研究1)」の手続きを精緻化したことや、本来実験室での認知課題実施を予定していた「慢性不眠障害のない対象者における認知課題成績と不眠症状の関連に関する研究(研究2)」が実施が不可能であったこと、また研究2をブラウザベースでのオンライン実施に切り替えたことが、研究全体の進捗の遅れにつながっている。研究計画当初2023年度にはデータ収集完了予定であった研究協力機関(医療機関)でのデータ収集(研究3)の開始も困難であったこともあり、研究の進捗が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度前期には、研究協力機関との調整を進め、研究3を開始する予定である。しかしながら、データ収集後の成果公開が補助事業期間内に終了することが困難であることが予想されることから、補助事業期間延長承認申請を検討している。
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