研究課題/領域番号 |
21K03082
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10030:臨床心理学関連
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研究機関 | 平安女学院大学 (2022-2023) 平安女学院大学短期大学部 (2021) |
研究代表者 |
清水 里美 平安女学院大学, 子ども教育学部, 教授 (80610526)
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研究分担者 |
郷間 英世 姫路大学, 看護学部, 教授 (40234968)
船曳 康子 京都大学, 人間・環境学研究科, 教授 (80378744)
米澤 朋子 関西大学, 総合情報学部, 教授 (90395161)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | タブレットデバイス / 発達スクリーニング検査 / 新版K式発達検査2020 / 描画課題 / ストローク分析 / 絵の指さし / 臨床事例 / ストローク / 言語理解 / 幼児 / タブレット / 遠隔 / 発達スクリーニング / 乳幼児健診 / アセスメント |
研究開始時の研究の概要 |
(1)1歳6ヵ月児健診、3歳児健診、および5歳児健診時における発達スクリーニングに適した項目と保護者向けの発達評価に関する問診項目を選定し、タブレットで反応を収集分析できるシステムを開発する (2)開発したタブレット版発達スクリーニング検査を各健診の該当年齢児に実施し、新版K式発達検査の2020年版の標準化データと比較する。また、タブレット版実施時に行動を直接観察評価し、タブレットによる取得情報と比較する。以上の分析を通じてタブレット版の有効性について検討する (3)クリニック等に協力を求め、臨床事例にタブレット版発達スクリーニング検査をおこない、適用可能性を検証する
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研究実績の概要 |
タブレット版描画課題(図形模写課題・人物完成課題)、「絵の指さし課題Ⅰ」および「絵の指さし課題Ⅱ」に関する本調査を継続して実施した。タブレット版の課題はすべて教示や刺激がタブレット上で提示され、教示音声が自動で流れる仕組みとなっている。これまでの試行結果を踏まえ、タブレット版課題の実施者用マニュアルとして、タブレットの操作手順と観察記録方法の説明文と記録用紙を確定した。 2023年度は新たな実施者を養成し、2歳台から8歳台までの72名(男児43名,女児29名)を対象にデータを収集した。さらに、2023年度末から療育機関の協力を得て、臨床事例への実施を開始した。2024年3月末の時点で27名(男児17名、女児10名)のデータを収集した。これにより、研究開始から2023年度末までに計247名分のデータを収集できたことになる。これらのデータはすべて、タブレット版課題の結果と併せて、熟練の検査者による新版K式発達検査2020の結果が揃っており、今後の分析に用いる予定である。 当初の計画では、予備調査で1歳6ヵ月児から5歳6ヵ月児まで18名程度、本調査で健診対象の年齢層計180名、臨床事例20例からデータを収集する予定であった。年齢層や男女の数の調整は当初の予定とは異なったが、全体として予定数を上回る協力者を得ることができた。 分析については、描画課題によって得られた定型発達児187名分について、機械学習に向けた描画と発達年齢の学習のためのデータ整備を開始し、重回帰分析により生活年齢の考慮が重要であることを示した。また、日本発達障害学会にて本研究の取り組みをテーマに自主シンポジウムを開き、約30名の参加を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画どおり 個別の新版K式発達検査2020の結果と併せて200名を超えるデータを収集することができた。年齢層ごとの男女の人数調整については当初の予定を変更した。保育園やこども園などを通して、研究に関する説明文書を配布し、参加同意が得られた対象者のみを取り扱うようにしたことから、年齢や性別を均等にはできなかったためである。しかしながら、予定を上回るデータ数が得られているため、分析にあたっての支障はないと考えられる。 得られたデータについては、分析を開始している。具体的には、描画ストロークの分析、観察結果と新版K式発達検査結果の成績比較、および実施上の不具合等の検討をおこなった。 臨床事例については、協力機関が確保でき、本格的に収集を開始したところである。2024年度も継続予定である。
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今後の研究の推進方策 |
臨床事例のデータ収集は継続する。療育機関の心理士による観察結果については、今年度の日本LD学会にて発表予定である。外国にルーツのある子どもへの試行も、協力機関が得られれば実施する。これらの結果を踏まえ、今後の臨床事例への適用の可否について、研究分担者と医療的な診断の立場を踏まえて検討する。 描画課題で収集したデータについては、全てを統合した特徴量での検討を継続し、国際会議での発表を目指す。 サーバー上に保存されている「絵の指さし課題Ⅰ」「絵の指さし課題Ⅱ」の反応の解析方法、反応の評価基準を検討する。 本研究全体のまとめとして、タブレット版発達スクリーニング検査の実用化可能性を評価したうえで、実用にあたっての留意点やマニュアル作成をおこなう。
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