研究課題/領域番号 |
21K03087
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10030:臨床心理学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
黒木 俊秀 九州大学, 人間環境学研究院, 教授 (60215093)
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研究分担者 |
本村 啓介 独立行政法人国立病院機構さいがた医療センター(臨床研究部), 臨床研究部, 精神科診療部長 (60432944)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 精神科診断学 / カテゴリー / ディメンション / スペクトラム / HiTOP / IDAS-II / 解離症状 / 臨床的有用性 / 心理アセスメント / 連続体モデル / 解離 / 潜在構造 / ディメンジョン / スペクトラム・モデル |
研究開始時の研究の概要 |
近年、従来の精神疾患のカテゴリー的定義と分類よりもディメンション的スペクトラム・モデルが有力になりつつあるが、その心理アセスメントにおける有用性はなお未知数である。本研究では、精神病理症状の内在化-外在化スペクトラム・モデルに基づいて、複数の調査票を用いて臨床群と非臨床群の定量的分析を行い、従来のカテゴリー的臨床診断と比較検討することにより、精神疾患のスペクトラム・モデルの妥当性と有用性を検証する。さらに、熟練した精神科医と心理職を対象に精神疾患のスペクトラム・モデルの有用性と限界に関する質的調査を行い、精神科診断のパラダイム・シフトが心理アセスメントに与える影響を明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究では、精神病理症状の内在化-外在化スペクトラム・モデルの有用性と限界を明らかにすることを目的としている。そのために、(1)内在化スペクトラム自記式調査票であるIDAS-IIの日本語版を開発し、その信頼性と妥当性を確認した。(2)解離症状に注目し、若年層の一般人口集団を対象とする調査を行なった結果、若年層の解離性体験が臨床群と連続する心理学的問題を有している可能性が示唆された。(3)医師と心理職を対象とする質的調査を行った結果、心理アセスメントにおけるディメンション的モデルの臨床的有用性にはなお限界があり、従来のカテゴリー的モデルとの併用が現実的であると考えられていることが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
わが国の一般人口集団における解離性体験の頻度と分布の特徴を初めて明らかにし、特に若年層の解離性体験が臨床群と連続する心理学的問題を有している可能性、すなわち、スペクトラム・モデルを示唆した点において,心理学的意義が大きい。一方、心理臨床におけるスペクトラム・モデルの有用性にはなお限界があり、従来のカテゴリー的モデルとの併用が現実的であることを示唆したことから、心理専門職のアセスメント技術のみならず、広くメンタルヘルス分野の専門職の臨床技能の向上に貢献し、もってわが国のメンタルヘルスの改善に寄与することが期待されることから、その意味での社会的意義も大きい。
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