研究課題/領域番号 |
21K03094
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10030:臨床心理学関連
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研究機関 | 明治学院大学 |
研究代表者 |
森本 浩志 明治学院大学, 心理学部, 教授 (20644652)
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研究分担者 |
武藤 崇 同志社大学, 心理学部, 教授 (50340477)
野村 信威 明治学院大学, 心理学部, 教授 (90411719)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 認知症 / 家族介護者 / 認知行動療法 / アクセプタンス&コミットメント・セラピー / 回想法 |
研究開始時の研究の概要 |
認知症の人の家族介護者への心理支援においては、欧米では認知行動療法に基づいたプログラム(CBTプログラム)が一定の有効性を有することが示されているが、わが国での実践は限られている。そこで本研究では、家族介護者を対象とした集団CBTプログラムに加えて、①アクセプタンス&コミットメント・セラピーに基づいた集団プログラム(集団ACTプログラム)を開発し、両プログラムの家族介護者の精神的健康の向上効果を検討する。また、②家族介護者への心理支援(集団CBT・ACTプログラム)に、認知症の人への心理支援(集団回想法)を加えることで、プログラムの効果が高まるかを検討する。
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研究実績の概要 |
2023年度は家族介護者を対象としたプログラム(1回90分、全8回、クローズドの小集団形式)を、夏クール(6月~9月)と冬クール(12月~3月)の2回、対面参加とオンライン参加の双方を可能としたハイブリッド形式で実施した。参加者募集は、地域のコミュニティ情報誌と医療機関、家族会を通して4月と5月および10月と11月に行った。その結果、夏クールは2名(どちらも女性)、冬クールは2名(男性1名と女性1名)の参加があった。プログラムの効果測定のために、プログラム開始前のPre測定と終了直後のPost測定、終了半年後のFollow-up測定の3時点で、抑うつ・不安、介護負担感、介護の肯定的側面の認知などを測定する複数の心理尺度への回答を参加者に求めた。夏クールは3時点全ての測定が完了している。冬クールはPre測定とPost測定が完了しており、2024年9月にFollow-up測定を行う予定である。Post測定の一環として行ったアンケートでは、両クールとも概ねプログラムに対する肯定的な意見が見られた。 一方で、認知症の人を対象としたプログラムについては、プログラムを担当する研究分担者(野村)がイギリスで在外研究を行ったこと、および帰国後のプログラムの参加者募集において選定基準を満たした者が現れなかったことなどから、2023年度は実施しなかった。家族介護者を対象としたプログラムの参加者に認知症の人のプログラムを紹介した際の反応から、プログラム参加が困難な理由として、認知症の進行による認知機能の低下からプログラム参加が困難であることの他にも、一定以上の認知機能は維持されているものの、本人が認知症という診断を受け入れられておらず、介護サービス等の利用に拒否的であるため、プログラムの紹介が困難である等の理由もあることが考えられた。認知症の診断の受容の困難性はこれまでも指摘されていることであるため、診断の受容についての心理支援も必要であると考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
Covid-19の5類感染症への移行もあり、2022年度以前と比べるとプログラムの問い合わせ等は増えており、安定してプログラムが実施できるようになった。しかしながら、依然として当初予定していた人数の参加者が得られていないことが課題である。
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画では2024年度はデータ解析を行う予定であったが、当初予定していた人数の参加者が得られていない。このため、2024年度も引き続きプログラムを実施して、データ収集を行う。
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