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離婚、再婚を経験した家族へのトラウマインフォームドな支援プログラムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 21K03095
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分10030:臨床心理学関連
研究機関白梅学園大学

研究代表者

福丸 由佳  白梅学園大学, 子ども学部, 教授 (10334567)

研究分担者 野坂 祐子  大阪大学, 大学院人間科学研究科, 教授 (20379324)
水島 栄  北里大学, 医療系研究科, 教授 (00790940)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
キーワード離婚 / トラウマインフォームドケア / 子ども / 親 / 家族支援 / 再婚 / 心理教育 / ペアレンティングプログラム / FAIT / 親子 / CARE
研究開始時の研究の概要

離婚や再婚という家族関係の変化と移行を経験する家族への支援において、従来、必ずしも十分ではなかった子どもの逆境体験やトラウマインフォームドケアの視点を包含した、より包括的な家族関係再構築に向けた支援プログラムの開発を目的としている。養育者を対象とした子育てを支えるペアレンティングプログラムに加え、システミックな家族の関係性理解、家族レジリエンスなどの視点、トラウマインフォームドケアの視点を盛り込むことで、離婚や再婚を経験する親と子ども、さらにその関係性を支えるための包括的な理論モデルとそれに基づく具体的なプログラムを開発し、併せて親向けの実践を通して、その効果を検討する。

研究実績の概要

本研究は、離婚を中心とする家族関係の移行期を経験する親・養育者支援を対象としたトラウマインフォームドケアの視点を包む、より包括的な支援プログラムの開発を行い、家族関係再構築に資することを目的としている。コロナ禍を経て対面とオンライン双方での実施が可能になる中で、初回は対面で行いつつ、各家庭の状況を鑑みオンライン実践も取り入れながら実践を行っている。
23年度は、別居親のグループ、同居親のグループの2クールを実施し、離婚時の心理教育と親子の関係構築に向けたペアレンティングプログラムの実践、およびトラウマインフォームドケアの視点を含めた内容が、親にとって意義あるサポートであることを見出した。特に、トラウマインフォームドケアの情報や、グループの凝集性にもとづいた自身に対する内省と、子どもの状況理解などにも変化が生じ得ることが事後のインタビュー調査から示され、その一部を発達心理学会で発表した。またこうしたトラウマインフォームドケアの視点を踏まえた家族支援に関する考え方をまとめたものが、家族心理学会年報に掲載された。
さらに、こうした関係性の移行期にトラウマインフォームドケアの考え方を踏まえることは、親・養育者にとどまらず支援者支援においても重要である。この観点から、乳児院におけるコンサルテーションや研修などの取り組みを通して、職員に向けた支援者支援を行った。特に乳児院は、さまざまな背景のある子どもの育ちの初期を支える機関として、養育やケアに力を注ぐ一方で、幼児期になると子どもは児童養護施設や里親家庭などへの移行や家庭復帰などの変化を経験する。これは職員にとっても大きな変化であり一種の喪失を経験せざるを得ない。こうした視点から、乳児院職員のコンサルテーションや研修を通した支援を行い、今後の課題について検討した。この結果については24年度後半の成果報告を目指している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

研究の進捗がやや遅れている理由は、主に以下の2点による。
まず、離婚を経験した親のグループの実践において、同居、別居それぞれのグループ実践を行う必要があったこと、さらに混在した上でのグループを行う必要もあるなど、当初予定に比べ、より丁寧な実践を行っていることが挙げられる。これは同時に本研究のテーマに該当しうる対象へのアプローチがやや難しいこともあるが、今後は、信頼できる支援団体との協力をより強化することを通して改善しているところである。
二点目は、参加される方々の状況によって、経時的なデータをとることが容易でないことも指摘できる。実践には参加されても、事後の調査が戻ってこなかったりと、研究継続に支障が生じることがあるが、これについてはある程度致し方ない面もあり、できる限りの協力を得るように努力するようにしている。
最後に、昨年度は本務の状況(学内執行部の役職にかかわる業務)により、研究時間確保が特に困難な状況だったため、結果として、共同研究者間の協議、実践と研究に注力しにくかった面があった。

今後の研究の推進方策

引き続き実践と調査研究を行っていくが、まず上記の事情から離婚を経験した親グループの中でも、同居と別居の混成グループを対象に実践を行っていく。特に、トラウマインフォームドケアについて盛り込む内容を検討するなど、共同研究者間の打ち合わせもできる限り多く行っている。最終年度にあたる2024年度は、混成グループでの実践と前後の調査を行う予定である。その上で、再婚家庭に対する実践を行えるかどうかを検討していく予定である。
また、支援者支援については昨年度に引き続き、北海道地区の乳児院における実践を予定している。2年目にあたる24年度は、施設職員に向けた研修やコンサルテーションの効果について調査を行い、実効性と持続性のある支援プログラムを検討していきたいと考えている。
以上の取り組みから得られた成果については、まず離婚を経験した親へのグループ実践の結果について、7月の国際学会と12月の国内学会で発表予定である。また、得られた知見を基に、トラウマインフォームドケアの取り組みの可能性と課題について、8月に国内の学会で発表する予定である。
専門家に対する支援者支援の知見については、夏に予定されている2度目の実践を経て、25年3月に開催予定の国内学会で発表する方向で検討中である。

報告書

(3件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 研究成果

    (15件)

すべて 2024 2023 2022 2021

すべて 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (6件) (うち招待講演 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 母親・父親の描く理想と直面する現実、求める支援2024

    • 著者名/発表者名
      福丸由佳
    • 雑誌名

      これからの幼児教育

      巻: 2024春号 ページ: 16-21

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] Brain structures and functional connectivity in neglected children with no other types of maltreatment2024

    • 著者名/発表者名
      Kawata Natasha Y.S.、Nishitani Shota、Yao Akiko、Takiguchi Shinichiro、Mizuno Yoshifumi、Mizushima Sakae、Makita Kai、Hamamura Shoko、Saito Daisuke N.、Okazawa Hidehiko、Fujisawa Takashi X.、Tomoda Akemi
    • 雑誌名

      NeuroImage

      巻: 292 ページ: 120589-120589

    • DOI

      10.1016/j.neuroimage.2024.120589

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 離婚・再婚という家族の移行期を経験する家族への支援~トラウマインフォームドケアの視点を踏まえた支援.2023

    • 著者名/発表者名
      福丸由佳
    • 雑誌名

      家族心理学年報

      巻: 41 ページ: 15-25

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] インタビュー『大丈夫』に隠された意味とは?」2023

    • 著者名/発表者名
      野坂祐子
    • 雑誌名

      季刊ビィBe!

      巻: 153 ページ: 10-17

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 離婚・別居家庭とその子どもの実像と必要な支援―3つの大規模調査から見えること―2022

    • 著者名/発表者名
      横山和宏・福丸由佳・大瀧玲子・渡部信吾
    • 雑誌名

      離婚・再婚家族と子ども研究

      巻: 4 ページ: 117-135

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] トラウマインフォームドケア――当事者と支援者の安全を高め るアプローチ2022

    • 著者名/発表者名
      野坂祐子
    • 雑誌名

      『心と社会』 日本精神衛生会

      巻: 53(1) ページ: 40-45

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 離婚を経験する家族への心理教育FAIT(Families in Transition)プログラムによる支援-同居親と別居親の体験の違いに注目して-2022

    • 著者名/発表者名
      大西真美・曽山いづみ・杉本美穂・大瀧玲子・山田哲子・福丸由佳
    • 雑誌名

      家族心理学研究

      巻: 35(2) ページ: 137-154

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 親子のあたたかい関係を支えるためにーCAREプログラムを用いたコミュニケーションー2021

    • 著者名/発表者名
      福丸由佳
    • 雑誌名

      武庫川女子大学発達臨床心理学研究所紀要

      巻: 22 ページ: 81-102

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 離婚を経験した父親へのトラウマインフォームドケアの実践 ―別居親を対象とした移行期の家族を支える取り組み―2023

    • 著者名/発表者名
      福丸由佳・野坂祐子
    • 学会等名
      日本発達心理学会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 臨床と研究の融合 - 脳科学的視点から子どもの発達を考える一親子関係を支えるための様々な視点とアプローチ親子関係を支えるものとは、何か2023

    • 著者名/発表者名
      水島栄、 齋藤大輔、 滝口慎一郎
    • 学会等名
      子ども虐待予防学会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 大規模調査研究からみえる離婚前後の親子の状況2022

    • 著者名/発表者名
      福丸由佳
    • 学会等名
      日本離婚・再婚家族と子ども研究学会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] ひとり親家庭の支援~離婚を経験した親子の状況と家族支援~2022

    • 著者名/発表者名
      福丸由佳
    • 学会等名
      日本家族心理学会 学会企画シンポジウム
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 夫婦・家族のこれから2022

    • 著者名/発表者名
      福丸由佳
    • 学会等名
      心理臨床学会第40回大会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 離婚家族への縦断研究の必要性と可能性 (ラウンドテーブル指定討論)2022

    • 著者名/発表者名
      福丸由佳
    • 学会等名
      日本発達心理学会第33回大会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [図書] 発達の理解と保育の課題2023

    • 著者名/発表者名
      岸井勇雄・無藤隆・湯川秀樹・藤谷智子・上村佳世子・松嵜洋子・吉川はる奈・小松歩・平山祐一郎・相良順子・塩﨑万理・大國ゆきの・細川かおり・中島寿子・福丸由佳・中橋美穂
    • 総ページ数
      264
    • 出版者
      同文書院
    • ISBN
      9784810315233
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2021-04-28   更新日: 2024-12-25  

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