研究課題/領域番号 |
21K03102
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10030:臨床心理学関連
|
研究機関 | 九州産業大学 |
研究代表者 |
窪田 由紀 九州産業大学, 学術研究推進機構, 科研費特任研究員 (00258576)
|
研究分担者 |
伊藤 亜矢子 聖学院大学, 心理福祉学部, 教授 (50271614)
小林 朋子 静岡大学, 教育学部, 教授 (90337733)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
|
キーワード | 学校コミュニティ / コミュニティ・レジリエンス / 学校危機 / リスク・マネジメント / 協働体制 / 学校危機支援循環モデル |
研究開始時の研究の概要 |
学校危機への心理的支援の重要性は広く社会に認識され,実践が蓄積されてきたが,欧米においても支援効果の検証は,PTSDなど個人の症状レベルに焦点を当てたものであるため,その結果を学校としてのその後の取組に生かし難い。 本研究では,危機の影響の緩和や回復の促進に関わるコミュニティ・レジリエンス概念に着目し,学校コミュニティ・レジリエンス評価指標の開発を行う。そうすることで,予防的な取組の効果や危機による機能低下,支援による回復過程を同一の指標で把握できるようになり,その結果をその後の取組に生かす学校危機支援循環モデルの具現化が期待される。
|
研究実績の概要 |
【学校コミュニティ・レジリエンス概念・構成要素の検討】 Maguire et al., (2007)を基に,学校コミュニティ・レジリエンス概念・構成要素として,①コミュニティへの信頼,②リーダーシップ,③集合的効力感,④コミュニティ感覚,⑤コミュニティへの関与,⑥規範・価値の存在,⑦コミュニケーション,⑧システムの存在と機能を抽出した。 【学校コミュニティ・レジリエンス尺度項目プールの作成】 昨年度実施した教育行政・学校関係者のインタビュー結果から,職員集団のまとまり,危機の早期発見・対応,危機時の情報共有,学校の環境整備,管理職のリーダーシップ,役割・責任の明確化,風通しの良さなどに関する46項目を収集した。続いて, Cenat.J.M. et al(2021) , Leykin.D et al (2013) , VanHorn et al(2016)から抽出した71項目を翻訳し,学校状況に合わせて加除修正を行った。上記46項目を加え,8つの構成要素に照合して重複の調整を行い,レジリエンス研究,学校風土研究の専門家,更に教育行政・学校関係者によるチェックを経て117項目からなる項目プールを作成した。 【学校コミュニティ・レジリエンス尺度項目案の作成】構成要素の包含関係と回答負担を勘案し,リーダーシップ,関係性・コミュニケーション,システムの存在と機能の3次元から成る36項目の学校コミュニティ・レジリエンス尺度(案)を作成し,A市教育委員会の協力を得て,43校760名の教職員を対象に予備調査を実施した。その結果に基づいて6下位尺度からなる学校コミュニティ・レジリエンス尺度を構成し,各校について教育委員会職員2名ずつによる評価結果や児童生徒のデータの提供を受け,尺度得点との関係を検討した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は、項目プールの作成から尺度項目案の構成、予備調査、結果に基づく尺度の作成と、概ね計画通りに進めることができた。 A市教育委員会との協働体制が構築でき、全面的な協力の下に予備調査が実施でき、教育委員会関係者からの学校評価や児童生徒に関するデータの提供を受けることができたことは、本研究を進める上で非常に有意義であった
|
今後の研究の推進方策 |
今後は、妥当性の更なる検証に向けて、新たに協力校を募り、外的基準となる他の尺度との関係を検討し、学校コミュニティ・レジリエンス尺度の精緻化を図る。 併せて、学校による自己点検に活用できる体制について、教育委員会関係者と協議しつつ、システムを構築するなど、最終年度として研究全体のまとめを行う。
|