研究課題/領域番号 |
21K03115
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10030:臨床心理学関連
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研究機関 | 立教大学 |
研究代表者 |
山口 綾乃 立教大学, コミュニティ福祉学部, 特定課題研究員 (40592548)
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研究分担者 |
小塩 真司 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (60343654)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | gratitude / life satisfaction / sympathy / social capital / trust / social support / health / well-being / grattiude / Gratitude / Life Satisfaction / Well-Being / Culture / Longitudinal Approach |
研究開始時の研究の概要 |
Using a cross-lagged longitudinal design, we attempt to explore whether gratitude would predict both sympathy and satisfaction with life over time, and both sympathy and satisfaction with life would predict gratitude over time. Using a Japanese sample from the time 1 and time 2 waves of the research project, the cross-lagged effect model in this longitudinal study found that upward trends in positive emotions. The results may concur with the broaden build theory of positive emotions, such as gratitude, sympathy, and life satisfaction (Fredrickson, 1998, 2001).
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研究実績の概要 |
人生100年時代といわれるなかで、人はいかに生きていくのか?といった人々の幸福感や感謝感情、共感性について、様々な研究の取り組みがなされてきている。さらに、新型コロナウィルスという新しい種類のウィルスが世界中を震撼させている。新型コロナウィルスが世界中で私たちの生活に影響を与えており、例えば、ソーシャルディスタンスを保ちながらコミュニケーションをとるという新しい生活様式を余儀なくされている。日本人の中高年齢層のウェルビーングにおける変化を見るために、多様なコミュニケーションとその幸福感、健康レベルを検証することを目的とした。 本稿は, ①ポジティブ感情(感謝感情を含む)、ネガティブ感情に関する経緯と現状、②感謝感情、文化による対人関係の在り方や他者とのつながりからの信頼関係、共感力、回復力(レジリエンス)と共にマインドフルコミュニケーションといった新しい視点について文献レビューを行う③問題の概要を紹介し、④縦断的研究ならびに横断的研究からのアプローチにおいて、感謝感情と社会的な要因、マインドフルコミュニケーションを検証することを目的とした。サンプルは、日米の中高年齢層を対象とした。 今年度の研究結果として、長期的な視点から、日本人の中高年齢層の変化する感謝感情について検証した。日本人の中高年齢層の感謝感情モデルを形成している個別要素として、①文化による対人関係の在り方や他者とのつながりからの信頼関係、②共感力、③回復力(レジリエンス)と共に④マインドフルコミュニケーションという4つの項目がお互いに影響を与えている感謝感情変化モデルを提言するに至った。こういった側面から、さらなる展開として、AIとコミュニケーションという新たな側面からの展望を提案する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
第1研究として、日米の中高年齢層の感謝する想いや健康に対する価値観・生きがいなどのウェルビーングについて、様々な視点から調査・検証を行った結果、日米での違いを発見することができた。 第2の研究として、日本の中高年齢層のポジティブ感情と日々の生活に関する満足度について検討した。結果として、感謝する想い、自分を一歩下げること=相手の面子を立てるコミュニケーションを大事にし、さらに、人生への満足度を高めることが明らかになった。 以上により、おおむね順調に進展していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
主な2つの研究結果を通してわかったことは、これまでに行われてきた社会科学的な研究については欧米中心としており、日本のような集団主義を重んじる東アジア文化圏からの新しい視点を考慮に入れている。 今後の研究の推進方策としては, ①社会科学的なアプローチからの研究(共感力、信頼、感謝など)②発達障害児は脳機能に欠落があるのか? あるいは、回り道しながらも頂上を目指して発達という山を登っているのではないか? 発達障害児が共通して障害をもち、ヒトが社会生活を営むうえで重要な役割を果たすコミュニケーション・スキルの獲得過程を通して、脳の発達を見直していく③認知症患者とコミュニケーション・スキルの観点からの研究を行っていくことを提案する。 人は言葉だけでなく、自分の体や周りの空気、時間などあらゆるものを使って他者とのコミュニケーションを図っている。果たして脳は、それらの情報をどのように処理し、意味づけているのだろうか。さらに、認知症患者は、AIロボットとのコミュニケーションを行うことで、脳の活性化がみられるとも言われている。さらなる検証に努めたい。
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