| 研究課題/領域番号 |
21K03117
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| 研究種目 |
基盤研究(C)
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| 配分区分 | 基金 |
| 応募区分 | 一般 |
| 審査区分 |
小区分10030:臨床心理学関連
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| 研究機関 | 花園大学 (2023-2024) 京都ノートルダム女子大学 (2021-2022) |
研究代表者 |
村松 朋子 花園大学, 社会福祉学部, 准教授 (20633118)
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| 研究分担者 |
神原 憲治 香川大学, 医学部, 教授 (90440990)
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| 研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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| 研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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| 配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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| キーワード | トラウマ / 生理指標 / 心理療法 / アセスメント / バイオフィードバック / 認知行動療法 / PTSD / パニック障害 / PE療法 / CBT |
| 研究開始時の研究の概要 |
PTSDの治療において、認知行動療法の有効性が示されている一方で、3割程度のPTSD患者には著効を示さないのも事実である。本研究では、心拍と呼吸をリアルタイムに計測し、自分の緊張状態をRSA振幅により客観的に知ることで調整不全感を改善させられると考えた。一般的に現行の認知行動療法ではトラウマに関わる認知の修正に焦点が置かれるが、そこに加えて身体症状に焦点を当てるバイオフィードバック法を組み合わせることで、より有効性の高いPTSD治療の開発を目指す。
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| 研究実績の概要 |
本研究では、PE(Prolonged Exposure)セッション後の心拍および呼吸をリアルタイムで計測し、呼吸法を用いたフィードバックを行うことでRSA(呼吸性洞性不整脈)振幅の正常化トレーニングを実施している。これにより、参加者は自身の身体感覚への気づきを促され、緊張状態の自己制御を学習する。このプロセスにおいて、RSA振幅の変化を通じて自己の緊張状態を客観的に把握することを目指し、「コントロール不能」という認知を「コントロール可能」という自己効力感へと転換させることが目的である。さらに、暴露療法の前後や実施中においても心肺生理指標を活用し、様々な状況下での自己調整力の強化を図る。 既存の研究においては、CBT(認知行動療法)がトラウマ治療に有効であることが示されているが、DSM「A基準」を満たさないトラウマ体験者がPTSD症状を引き起こしやすく、重症化しやすいことも報告されている(Solomon & Canino, 1990; Gold et al., 2005; Long et al., 2008)。しかし、CBTのみでは効果が限定的であるケースも多い。そこで本研究では、トップダウン介入(認知面へのアプローチ)とボトムアップ介入(情動・感覚運動へのアプローチ)を組み合わせた新しい介入法を開発し、認知、情動、感覚運動の3つのレベルを同時に扱うことを特徴としている。現在、数例の被験者を対象にデータ収集と効果検証を進行中であり、本アプローチの有効性と臨床適用の可能性を検討している。
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| 現在までの達成度 |
現在までの達成度
4: 遅れている
理由
研究開始時はCOVID-19により、研究対象者のリクルートがほぼできなくなってしまった。その後、研究代表者の研究機関の異動により、研究体制の再構築に時間を要したことが大きな理由である。
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| 今後の研究の推進方策 |
本研究の今後の推進方策として、まず初めに、現行のプロトコルを用いた介入効果の更なる検証を行う。具体的には、対象者数を増やし、無作為化比較試験(RCT)を実施して介入効果の有効性および再現性を確認する。特にRSA振幅の変化が情動調整や自己効力感の向上にどの程度寄与しているかを詳細に解析することで、介入メカニズムの解明を図る。また、CBTと呼吸法を併用したトップダウンおよびボトムアップ介入が、従来のCBT単独療法と比較してどの程度効果的であるかを検討し、治療反応性の異なるクライアント特性の分析も進める。 次に、介入プロトコルの標準化とマニュアル化を推進し、臨床現場での実装可能性を高める。RSA振幅測定および呼吸法のフィードバックシステムの簡便化・自動化を進め、臨床家やクライアントが使用しやすいインターフェースの構築を目指す。これにより、地域医療やリハビリテーション領域での応用範囲の拡大を図る。さらに、持続的な介入効果を検証するために、追跡調査を行い、介入終了後のRSA振幅の持続性およびPTSD症状の再燃防止効果についても評価を行う予定である。
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