研究課題/領域番号 |
21K03120
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10030:臨床心理学関連
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研究機関 | 福山大学 |
研究代表者 |
平 伸二 福山大学, 人間文化学部, 教授 (30330731)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 隠匿情報検査 / サイコパス / Dark Triad / 事象関連電位 |
研究開始時の研究の概要 |
日本の犯罪捜査におけるポリグラフ検査は,情報検出に基づく隠匿情報検査(CIT)のみで実施されている。CITは,無実の者を犯人とする誤判定が少ない反面,犯人を取り逃がしてしまう誤判定が個人差要因で生じる可能性がある。 本研究では,脳波を指標として,パーソナリティ要因がCITにどのような影響を及ぼすかを検討する。特に,パーソナリティ要因の中でも,Dark Triad(DT)という3つのダークなパーソナリティ(サイコパシー,マキャベリアニズム,自己愛傾向)を取り上げる。脳波によるCITの系統的研究により,DTの情報処理過程の特殊性を明確にして,CITの判定精度を向上させる検査方法を提案する。
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研究成果の概要 |
本研究では,パーソナリティ要因が犯罪捜査に使用されている隠匿情報検査 (concealed information test: CIT)にどのような影響を及ぼすかを検討した。特に,パーソナリティ要因の中でも,Dark Triad(DT)と呼ばれている3つのダークなパーソナリティ(サイコパシー,マキャベリアニズム,自己愛傾向)を取り上げた。実験では,生理指標として事象関連電位を測定した。 事象関連電位による標準オッドボール課題,CITなどの4つの実験を大学生対象に実施した結果,3つのダークなパーソナリティが,CITにおいて判定基準となる,裁決刺激と非裁決刺激の識別性に影響しないことが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ポリグラフ検査は,犯罪捜査で犯人の虚偽を見破る方法として実施されている。特に,日本では,検査方法として情報検出に基づく隠匿情報検査 (concealed information test: CIT)のみを認めている。ところが,近年,アメリカを中心に不安及び罪悪感の欠如という特徴を持つサイコパスの生理反応が,健常者と異なるという結果が報告されてきた。 そこで,事象関連電位によるCITなどの4つの実験を大学生対象に実施した結果,3つのダークなパーソナリティが,CITの判定に影響しないことが示唆された。この結果は,ダークなパーソナリティ特性が,ポリグラフ検査に影響しないこと明確にした点で重要である。
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