研究課題/領域番号 |
21K03124
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10040:実験心理学関連
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
鈴木 敦命 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 准教授 (80547498)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | 顔 / 印象 / 特性推論 / メタ認知 |
研究開始時の研究の概要 |
人間は他者の顔から性格や能力を判断する傾向を持つ。こうした顔に基づく対人印象(顔印象)はどの程度正確なのか。また、顔印象の正確性に関する人間の洞察(メタ認知)はどの程度正確なのか。本研究は、個人差に着目しながら、心理学実験を通じて以上の問いに答えることを目指す。第1に、「顔印象は正確である。」というメタ認知的信念を強く持つ人の顔印象は実際に正確なのか、或いは、何らかの偏りを含む不正確なものなのかを特定する。第2に、顔印象とそのメタ認知の正確性/偏りを生む心理過程の有力な候補として、顔知覚過程と学習・動機づけ過程の役割を検証する。
|
研究成果の概要 |
人間は他者の性格や能力の印象を顔から形成する。本研究では、この顔印象について、「顔印象は正確だというメタ認知を持つ人の顔印象は実際に正確なのか、偏りを持つのか。」、「顔印象とそのメタ認知の正確性/偏りの個人差はなぜ生まれるのか。」という問いを検討した。1点目については、顔印象は正確だというメタ認知を持つ人の顔印象は実際には正確ではないことを示す一貫した証拠を得た。2点目については明確な結論は得られなかった。しかし、物語読書習慣と社会的認知の正の関連が本邦では頑健でないこと、顔印象は正確だというメタ認知を持つ人ほど不適切な顔手がかりに依存していることなど、今後の研究につながる興味深い知見を得た。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
人間は他者の顔から性格や能力を判断し、その人に対する振る舞いを調整する傾向を持つ。このように対人認知・行動の重要な影響因である顔印象が正確であるのか、人間はその(不)正確性を正しく自覚できているのかを明らかにすることは、重要な研究課題である。本研究は、顔印象は正確だというメタ認知を持つ人の顔印象は実際には正確ではないこと、および、そもそも顔印象の正確性は安定した個人特性ではないことを新たに示した点で、学術的意義を有する。加えて、こうした実証的知見は顔印象が選挙、裁判、雇用などの重大な社会的意思決定に影響を与えている現状に警鐘を鳴らす点で、社会的意義を有する。
|