研究課題/領域番号 |
21K03126
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10040:実験心理学関連
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
新美 亮輔 新潟大学, 人文社会科学系, 准教授 (60513687)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 瞳孔計測 / 認知心理学 / 視覚認知 / 注意 / 情景認知 |
研究開始時の研究の概要 |
情景や物体など身の周りにあるものの視覚認知は,高度に自動化された無意識下の情報処理に支えられている。しかし,そういった無意識下の情報処理を研究することは難しい。本研究は瞳孔計測(pupillometry)によってこの問題に取り組む。瞳孔径は情動や認知負荷などの心理状態に応じて無意識的に変化すると考えられるからだ。そこで,記憶に残りやすい画像とそうでない画像の観察時,物体認知において情景文脈の処理が役立つ場合とそうでない場合,ポジティブな感情やネガティブな感情を引き起こす物体が含まれる情景の観察時などに瞳孔径の変動を測定し,無意識的な情景知覚処理がいつどのように働いているのか検討する。
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研究実績の概要 |
当初の計画に従って,まずは既存の眼球運動測定装置の環境を用いて,瞳孔計測変動の計測を試みた。単純な輝度変化に対して生起する,比較的大きな瞳孔径の変動は観測することができた。しかし,本研究の主題である認知的要因による瞳孔径の変動(たとえば明領域。暗領域に対して向けられた潜在的注意の影響など)は,十分に測定することができなかった。このような変動は比較的小さな変動であり,加えて,もともと瞳孔計測を想定した環境ではなかったため,機器やソフトウェア上の制約などから,誤差が大きく,十分な精度のある安定した計測ができなかったと推測される。 そこで,瞳孔計測が可能であることが明らかな新しい機器を導入した。測定用コンピュータ,ソフトウェア等のセットアップを行い,新たな実験・測定環境を整えた。この環境を用いて,実際に測定が可能であることを確認する予備的な検討をいくつか行った。その結果を踏まえて,本実験の準備を進めている。具体的には,顔の画像と情景画像を材料に用いている。当初候補のひとつであった脅威画像などの感情喚起刺激については,まだ検討を行っていない。研究期間の1年目であるため,論文等のまとまった形で発表できる成果は得られていない。 なお,上記の検討を通して,特に情景画像を刺激として用いた場合には,輝度の統制を当初想定していたよりも厳密に行った方がよい可能性が指摘できた。そのため,この点は今後の本実験の立案において考慮に入れる予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
測定を行う上でいくつか細かな技術的問題はあったが,おおむね解消している。新型コロナウイルス感染症の状況は想定より長引いているものの,感染症対策を講じた上で実験を実施することは可能な状況である。ただし,参加者の応募がいくらか低調になっている(本研究の実験は内容的にオンライン実験化が困難であるため,対面実験が必要である)。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き本実験の準備を進める。刺激選定や予備実験,プレレジストレーション等の準備が整い次第,本実験を開始する予定である。実験結果がある程度まとまった段階で,国内外の関連する分野の学会大会において発表を行いたい。新型コロナウイルス感染症の長期化の影響か,参加者の募集がやや低調ではあるが,新たな募集先を開拓することも検討する。
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