研究課題/領域番号 |
21K03128
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10040:実験心理学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
月浦 崇 京都大学, 人間・環境学研究科, 教授 (30344112)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 記憶 / 社会的文脈 / 加齢 / 脳 / fMRI / 顔 |
研究開始時の研究の概要 |
表情や魅力など、ヒトの顔には多くの社会的情報が含まれており、それらの情報は他者との社会的関係の構築において重要な情報として利用されている。しかし、そのような社会的文脈における顔の認知処理は普遍的なものではなく、加齢や神経疾患などの脳の生物学的変化によって影響を受ける。本研究では、社会的文脈における顔の記憶とその脳内メカニズムが、加齢による脳の生物学的変化によってどのような影響を受けるのかについて、健常若年成人と健常高齢者を対象とした機能的時共鳴画像(fMRI)研究から解明する。
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研究成果の概要 |
本研究では、社会的文脈における顔の記憶とその脳内メカニズムが、加齢よってどのような影響を受けるのかについて、健常若年成人と健常高齢者を対象とした機能的磁気共鳴画像(fMRI)研究から検証した。 健常若年成人を対象とした研究では、顔の魅力に関する予測誤差は腹側線条体において表象されており、腹側線条体と海馬が相互作用することによって、顔の魅力の予測誤差による顔記憶への影響が担われていることが明らかにされた。さらに、腹側線条体における予測誤差の表象は加齢によって低下することや、腹側線条体と海馬の相互作用メカニズムは、正の方向の予測誤差が生じた場合にのみ、高齢者において保存されていることが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
顔に由来する社会的情報が顔の記憶にどのような影響を与えており、それがどのような脳内メカニズムを基盤としているのかについては、未だに多くの謎が残されている。本研究では、顔に関連する社会的文脈として顔の魅力の予測誤差に着目し、それらが顔の記憶に与える影響の基盤となる脳内メカニズムを、fMRIから検証した。この試みは、国内外にほとんど例のない新しいものであり、学術的意義も高いものであった。さらに、本研究ではこの脳内メカニズムに対する加齢の効果も検証されており、本研究の成果は高齢者の認知機能の維持・改善の基盤の理解へつながる社会的意義も高いものであった。
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