研究課題/領域番号 |
21K03132
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10040:実験心理学関連
|
研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
小野 史典 山口大学, 教育学部, 准教授 (90549510)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
|
キーワード | 心理的時間 / 時間知覚 / 注意 / 選択的注意 / 時間順序判断 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,心理的時間の伸縮現象に与える選択的注意の影響を明らかにする。実験では,時間知覚の課題に加え,刺激特性に関する課題を行う(二重課題)ことで,呈示刺激内の特定の特性に注意を選択的に向ける操作を行う。刺激特性として,大きさ・明るさ・数・複雑さを取り上げ,それぞれの要因を組み合わせることで,5年間で計6つの研究を行う。これらの要因を同一の実験パラダイムで網羅的に調べることで,心理的時間に与える選択的注意の影響をより確かな知見とすると共に,時間知覚と選択的注意に通底する処理プロセスを総合的に解明する。
|
研究実績の概要 |
本研究課題では,提示された刺激の中の特定の特徴に選択的に注意を向ける操作を加えることで,選択的注意が心理的時間の伸縮現象に及ぼす影響を明らかにするための実験を行う。複数の要因を組み合わせることで,選択的注意が心理的時間に及ぼす影響を総合的に検討し,時間知覚と選択的注意の基礎となる処理過程を総合的に明らかにする。 今年度は,昨年度の実験の結果を踏まえて,論文を執筆し,現在,学術誌に投稿中である。また,これまでの結果を踏まえて,第2研究の事前登録を行い,実験を行った。実験では,異なる距離で移動する2つの視覚刺激を同時に呈示し,刺激が消失した直後に注意を向ける刺激を指定した。実験の結果,注意が向けられた刺激の移動距離が短い条件よりも長い条件の方が,時間間隔が長いと判断された。これらの結果は,視覚刺激の消失後に記憶中の特定の対象物に注意が向けられた場合,刺激の特性(移動距離)が時間知覚に影響することを示している。このことは,ある事象がすでに発生していたとしても,後でそれを想起する際に,注意を向けた内容によって知覚される時間が変化する可能性があることを示唆している。 加えて,これまでの研究を踏まえて,第3研究の予備実験を行った。実験では,異なる順序で異なる時間間隔で提示された2つの視覚刺激(ターゲット)に対して,参加者は時間的順序の判断を行った。手がかり刺激は左または右のターゲットの外側に提示された。実験では,手がかり刺激がターゲットより先に提示された場合,手がかり刺激側のターゲットが先に提示されたと判断された。しかし,手がかり刺激が標的の後に提示された場合には,手がかり刺激側の標的が後に提示されたと判断された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
今年度は,当初の予定通り,論文執筆を行った。また,これまでの結果を踏まえて,次の実験の事前登録を行い,実験を行った。この研究成果は,日本心理学会第87回大会(神戸国際会議場・神戸国際展示場)にて発表を行った。さらに本助成を受けた2本の研究論文が国際誌に掲載された。
|
今後の研究の推進方策 |
実験の結果をもとに論文執筆を行い,次の実験の準備をする。
|