研究課題/領域番号 |
21K03134
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10040:実験心理学関連
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研究機関 | 帝京科学大学 |
研究代表者 |
今野 晃嗣 帝京科学大学, 生命環境学部, 講師 (00723561)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | イヌ / 探索行動 / 臭気探索犬 / コミュニケーション / 性格 / 臭気探知犬 |
研究開始時の研究の概要 |
現在、麻薬探知犬や救助犬などの臭気探索犬とよばれるイヌが人間社会で活躍している。しかし、イヌとヒトが行う臭気探索作業は、実践的な取り組みが進んでいる一方、科学的な方法論に基づく検討が十分ではない。 本研究課題は、臭気探索犬の嗅覚に基づく探索行動の特徴を実験的手法に基づいて評価することをめざす。その実現に向けて、応募者は、作業タイプが異なる探索犬を対象にして、それぞれのイヌが標的臭を探索する場面を利用したフィールド実験を行う。本研究では、臭気探索犬の行動にハンドラーの人物が与える影響について明らかにするとともに、探知犬とハンドラーの相互交渉を比較することで両者の探索方略の差異を記載する。
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研究成果の概要 |
本研究課題は,臭気探索犬の嗅覚に基づく探索行動の特徴を実験的手法に基づいて評価することを目的とした。薬物探索犬の育成過程を対象とした研究から,訓練士による性格評定,候補犬の行動データおよび遺伝子多型が訓練成否に関与することが明らかになった。また,育成訓練に成功した探索犬を対象とした行動実験から,標的臭の探索時にみせる探索方略には顕著な個体差があることが明らかになった。他方,ヒトがイヌの性格を認知する機構を評価するための調査を実施し,ヒトが行うイヌの性格判断がイヌの外部形態の影響を受けることを明らかにした。以上の一連の研究成果は,臭気探知犬の行動を評価するための実験系の開発に貢献する。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究課題から得られた成果は,以下の点から意義があるだろう。第一に,臭気探知犬の行動を効率的かつ客観的に評価するための手法を開発した点である。本研究で用いた訓練士評価および行動テストは,専門的に訓練された探索犬の能力を査定する標準的尺度として応用できる可能性がある。第二に,動物行動学と心理学の手法を組み合わせてイヌの行動評価の問題解明に取り組んだ点である。本研究において行動評価の妥当性を確認したり,ヒト側の性格判断の認知機構を明らかにしたりした点は,イヌとヒトの異種間における双方向的交流を理解するための重要な知見となりうる。
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