研究課題/領域番号 |
21K03148
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10040:実験心理学関連
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研究機関 | 東北福祉大学 |
研究代表者 |
重宗 弥生 東北福祉大学, 総合福祉学部, 准教授 (70547273)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | ギャンブル依存 / 報酬 / 罰 / エピソード記憶 / 脳機能イメージング / fMRI / 認知神経科学 / 問題ギャンブル / 認知バイアス |
研究開始時の研究の概要 |
日本での特定複合観光施設区域整備法(IR法)の施行に伴い、ギャンブル依存の病態解明は喫緊の課題とされている。エピソード記憶は長期的に保存され行動の基準として利用されていることから、ギャンブル依存の問題ギャンブル行動にも影響を及ぼしている可能性が高い。本研究では、ギャンブル依存においてこれまでのギャンブルの経験がどのように蓄積されているかと、その蓄積された経験がギャンブルに関係する行動にどのような影響を与えているかの検討を、脳の活動を画像化するfMRIを用いて行う。
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研究実績の概要 |
日本での特定複合観光施設区域整備法(IR法)の施行に伴い、ギャンブル依存の病態解明は喫緊の課題とされている。これまでギャンブル依存において、ギャンブルの経験がどのように蓄積されているか、やその蓄積された記憶が行動にどのような影響を与えているかは検討されてこなかった。ギャンブル依存の者が、多くの負けを経験しているにもかかわらずギャンブルを続けてしまうのは、勝った時の事をよりよく覚えており、負けた時の事は忘れてしまっている可能性が考えられる。本研究では、問題ギャンブラーにおけるエピソード記憶のバイアスとその行動への影響について、自伝的記憶の質的検討を行うと共に、functional Magnetic Resonance Imaging (fMRI)を用いた神経基盤の検討を行うことで明らかにする。 令和5年度は、2つ目のfMRI研究である、問題ギャンブラーのギャンブルの経験が記憶のバイアスに与える影響についての研究を完了させた。具体的には、MRI装置の利用申請の手続きを行った上で、ギャンブル依存尺度の質問紙を元に参加者の選定を行い、それらの参加者にfMRI実験を実施した。現在は、収集したデータの解析を進めているところである。また、ギャンブル依存に関係するドーパミン神経系の働きについて検討するためにこれまで行った研究の内、問題ギャンブラーのギャンブル課題中の視線分布と瞳孔径の研究は、国際学術誌への掲載目指して投稿手続きを進めているところである。ゲーム理論を用いた報復と瞳孔径の関係の研究は、国内の学会で発表され、論文としてまとめているところである。注意欠陥多動症傾向が日用物品の選択に与える影響の研究は、国内の学会で発表され、論文としてまとめているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究代表者が申請時とは別の研究機関に着任し、新たな研究環境で研究を進める必要があったことと、新型コロナウィルス感染症により研究遂行に制限が生じたことにより、進行に遅れがみられている。しかし、これまでに2つのfMRIを用いた研究のデータ収集を完了させ、最後の研究である、問題ギャンブラーのエピソード記憶の質的な研究の準備も完了している。そのため、全体的な達成度としては「やや遅れている」とした。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウィルス感染症に対する研究機関の対応が緩和され、よりスムーズに実験を行うことができるようになったことから、最後の研究である問題ギャンブラーのエピソード記憶の質的な研究のデータ収集を完了させる。
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