研究課題/領域番号 |
21K03158
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分11010:代数学関連
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研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
大野 真裕 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 教授 (70277820)
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研究分担者 |
寺川 宏之 都留文科大学, 教養学部, 教授 (80277863)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | Fano多様体 / ネフなベクトル束 / 完備な強い意味での例外ベクトル束列 / 導来同値 |
研究開始時の研究の概要 |
代数多様体の(連接層のなすアーベル圏の有界)導来圏は,様々な分野との関連から注目を集め,研究されてきている.特に導来圏の半直交分解は,端射線の収縮写像に伴う半直交分解やホモロジカル射影双対などとの関連もあり,有用な概念である.本研究の目的は,Fano多様体の導来圏の半直交分解を調べ,さらにそれを用いて,Fano多様体上の様々なベクトル束を半正値性の観点から調べ,Fano束などを通じて関連したFano多様体を調べることである.
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研究実績の概要 |
まず,標数0の代数閉体上の3次元の2次超曲面上の第1チャーン類が2のネフなベクトル束を分類し,特にそれらはすべて大域生成となることを示した.この結果を論文にまとめて,arXivにarXiv:2311.02836としてアップした.さらに学術雑誌にも投稿した.次に,標数0の代数閉体上の4次元以上の2次超曲面上の第1チャーン類が2のネフなベクトル束を分類し,特に,それらはすべて大域生成となることを示した.この結果も論文にまとめて,arXivにarXiv:2312.09470としてアップし,学術雑誌にも投稿した. 3次元以上の2次超曲面上の第1チャーン類が2のネフなベクトル束は,それに付随した射影空間束がファノ多様体になるという特徴がある.一般に,付随した射影空間束がファノ多様体になるようなベクトル束はFano bundleと呼ばれたりする.Fano bundleに関する研究は,ベクトル束の階数が2の場合の研究など,階数が比較的小さい場合の研究がほとんどである.その中で,今回の結果は,ネフという条件がついているものの,任意の階数のベクトル束を扱っている点に特徴があると考えている.さらに,今回得られた結果は,3次元の2次超曲面上の任意階数のFano bundleの分類の足掛かりにもなるのではないかと考えている. 以上が研究代表者の大野が2023年度に得た研究実績の概要である. また,研究分担者の寺川は,代数的トポロジーの観点からも導来圏を研究するため,昨年度に引き続き,代数的トポロジーに関連した事項の知見を深めた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前年度にボトルネックと思われる部分を乗り越えたため,今年度は,おおむね順調に研究が進み,その成果を論文2本としてまとめることができ,これまでの成果と合わせて,arXiv等に投稿できたため.
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画どおりに進める.
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