研究課題/領域番号 |
21K03165
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分11010:代数学関連
|
研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
大関 一秀 山口大学, 大学院創成科学研究科, 准教授 (70445849)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
|
キーワード | 可換環論 / 局所環 / ヒルベルト函数 / ヒルベルト係数 / 重複度 / 随伴次数環 / Sally加群 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は代数学の一分野である可換環論の発展を目指すものであり,ヒルベルト函数の理論を積極的に用いる点が特徴である。ヒルベルト函数とは,可換環やイデアルの構造を数値化する函数であり,それらの構造を解明・分類する際に非常に強力な武器となる。 現在,国内外の多くの可換環論研究者によって様々な切り口でヒルベルト函数の構造研究が実施されているが,本研究は,それらの中でも飛躍的な発展を遂げている「課題1:巴系イデアルのヒルベルト函数の挙動研究」および「課題2:第1および第2ヒルベルト係数による随伴次数環の分類(Sally加群の視点から)」を研究対象に絞り,集中的に問題解明に着手する。
|
研究実績の概要 |
本研究は、代数学の一分野である可換環論の発展を目標としている。与えられた可換環の構造を調べる際に、そこに含まれるイデアルの構造の多様性が重要となる。これに対し、本研究では、ヒルベルト函数の理論に着目していることが特色として挙げられる。ヒルベルト函数とは、イデアルの構造を端的に表すような函数のことであり、その挙動にはイデアルの構造が強く反映されていると考えられている。本研究ではこの特徴を最大限に活用しながら、ヒルベルト函数による局所環の構造の分類を行った。 当該年度(令和4年度)は、主に、イデアルの第1ヒルベルト係数による随伴次数環の構造研究を行った。その際に、Sally加群の構造論が重要な役割を果たした。 前年度(令和3年度)までに着手していた、stretchedイデアルの節減数による随伴次数環の構造の決定に関する研究成果がJournal of the Mathematical Society of Japanにて単著論文として出版された。また、4月に明治大学理工学部にて開催された東京可換環論セミナーにて、第1オイラー標数と随伴次数環の深さの関係に関する研究成果報告を招待講演にて行った。この研究成果は、次年度(令和5年度)以降に学術論文として纏めて発表する予定である。 一方で、9月に実施を予定していた、ジェノバ大学(イタリア・ジェノバ)におけるヒルベルト函数の挙動研究に関する情報収集および研究打ち合わせについては、COVID-19の影響が未だ残っていたことなどを考慮し、次年度以降に延期をするに至った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実績の概要にて述べた通り、stretchedイデアルの構造に関する単著論文が出版された。また、1件の招待講演による研究成果報告を行ったが、その内容を現在論文として執筆中であり、本研究課題の成果として次年度(令和5年度)以降に発表する予定である。 このように、次年度に繋がる一定の研究成果を挙げることが出来たと考えられる事から、現在までの進捗状況はおおむね順調であると判断できる。
|
今後の研究の推進方策 |
令和5年度は令和4年度に引き続き、Sally加群の構造論の構築を行いながら、ヒルベルト係数による随伴次数環の構造の分類を行う。 特に、前年度に成果報告を行った第1オイラー標数による随伴次数環の構造に関する研究成果を論文として報告する予定である。国内外で開催される各種学会・研究集会にて本研究の成果発表を行う。また、岡山大学の早坂太氏は、加群のRees代数の理論に精通しており、本研究のイデアルの随伴次数環の研究とも密接に関わる。早坂氏との定期的なセミナーおよび研究打ち合わせについても、今後の本研究の推進方針の一つとして実施する。
|