研究課題/領域番号 |
21K03192
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分11010:代数学関連
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研究機関 | 岡山理科大学 |
研究代表者 |
浜畑 芳紀 岡山理科大学, 理学部, 教授 (90260645)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 関数体 / Siegel関数 / 円分関数体 / 正規底 / Dedekind和 / 相互法則 / 保型形式 / 周期関数 / ゼータ関数 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者は、関数体、有限体上の各格子に対して、Dedekind和とその高次元化を導入して、相互法則を確立した。次に、エータ関数の対数の類似を導入して、1次分数変換によるその変換公式を、Dedekind和を用いて記述した。また、Dedekind和の合成則も確立した。このように、Dedekind和自体の性質を研究してきた。 本研究では、申請者の導入したDedekind和と保型形式、ゼータ関数、L-関数、コホモロジーとの関係を明らかにして、関数体の数論における基礎的な問題を解決する。さらに、このDedekind和を他分野の諸問題に応用する。
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研究実績の概要 |
古典的なDedekind和は、エータ関数の対数の変換公式と関係している。1984年にE. Gekelerは関数体の場合にエータ関数を用いてSiegel関数を導入してその性質を調べた。2023年度は、関数体上のエータ関数について理解を深めるため、Siegel関数の保型関数としての性質を研究した。 古典的なジーゲル関数について、Ramanujanのデルタ関数の積公式に似た公式が知られている。研究代表者は、関数体上のデルタ関数の積公式を手がかりとして、関数体上のSiegel関数に対して積公式を確立した。次に、このSiegel関数と積公式を利用して、Drinfeld modular関数体のアーベルではないGalois拡大の普遍的な正規底を構成した。また、関数体のアーベル拡大の普遍的正規底についても研究を行い、円分関数体とその最大実部分体について、普遍的正規底を構成した。得られた結果は、J.K. Koo, D.H. Shin, D.S. Yoonらによる楕円modular関数体と円分体についての結果の関数体類似と考えることができる。 これらの結果は、``Normal bases for function fields"というタイトルで、オーストラリア数学会の雑誌 Bulletin of the Australian Mathematical Society にオンラインで発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
正標数のDedekind和と保型形式との関係について研究しているが、関数体上のSiegel関数を研究したことで、関数体上の保型関数について理解が深くなった。
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今後の研究の推進方策 |
関数体上のエータ関数と関連する保型形式や保型関数に注意しながら、関数体上のDedekind和と保型形式との関係について研究を進めていきたい。 得られた結果は、国内外の研究集会や国際研究集会で研究発表を行う。その後、その結果を論文としてまとめて、数学の学術雑誌に発表する。
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