研究課題/領域番号 |
21K03203
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分11010:代数学関連
|
研究機関 | 中部大学 (2023) 京都大学 (2021-2022) |
研究代表者 |
森脇 淳 中部大学, 人間力創成教育院, 教授 (70191062)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
|
キーワード | 代数幾何学 / アラケロフ幾何 / アデリック曲線 / 代数多様体 / 交点理論 / リーマン・ロッホの定理 |
研究開始時の研究の概要 |
アデリック曲線上の射影代数多様体と可積分なアデリック直線束のヒルベルト・サミュエル公式(リーマン・ロッホ公式)を証明を目指すことが研究の概要である.すなわち,大域的な算術的交点数と算術的オイラー標数の極限値が等しいことを示すための種々の数学的道具を開発・創出し,最終的に公式の証明を目指す.この公式よって多くの応用が見込まれている.特に,算術的函数体上の力学系の理論において多くの成果が得られることを期待している.
|
研究実績の概要 |
当初,アラケロフ幾何は代数体上で定義された代数多様体に限られた幾何学であったが,それをもっと広い体上に拡張しようという試みが①「Arakelov Geometry over adelic curves (450ページ)」であった.しかしながら,多くの基礎的定理(交差理論とヒルベルト・サミュエル公式等)が未開発であったので,それらを,さらに発展させる必要があった.これらの西湖大学の陳氏との共同研究の成果が,2つの本②「Arithmetic intersection theory over adelic curves (174ページ)」と③「Positivity in Arakelov geometry over adelic curves: Hilbert-Samuel formula and equidistribution theorem (186ページ)」である.②は,フランス数学会発行の「Memoires de la Soci\'et\'e Math\'ematique de France」から,③はスプリンガーから発行されている「Progress in Mathematics」から,出版されることが決定した. 2023年度はこれらの本の修正に費やした.例えば,②においては,体の拡大に伴う,Chambert-Loir 測度の変化が不明瞭であったが,それを修正した.それにより理論はより完全なものとなった.また,③においては,非アルキメデス的で連続的な計量の商計量が再び連続的かという基本的な命題に見落としがあり,それについて,補正を行ったが,上手くいかなかった.しかし,そのことを避ける方法を見つけ,全体として,問題はなくなった.元の問題は解決しておらず,今後の課題としたい. さらなる課題は残っているが,これら3部作でアデリック曲線上のアラケロフ幾何はほぼ完成したと言える.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上述の3部作①「Arakelov Geometry over adelic curves」,②「Arithmetic intersection theory over adelic curves」,③「Positivity in Arakelov geometry over adelic curves: Hilbert-Samuel formula and equidistribution theorem」が,不完全な部分が含まれるとは言え,完成した.これにより,アデリック曲線上のアラケロフ幾何の基礎はほぼ完成した.
|
今後の研究の推進方策 |
アデリック曲線上で定義された代数多様体における計量付ベクトル束の高次のチャーン類の定義は極めて重要な課題と考えている.まずはそれらを局所的に定義し,その可積性が分かればその積分により大域的な定義が可能となる.局所的な定義は,アルキメデス的な場合は,古典的であるが,非アルキメデス的な場合は,ジレ・スレによるものがあるが,現在的観点からは,不十分である.これらのことを考えて行きたい.結果として,アデリック曲線上でボゴモロフ不等式が完成できればと思う.
|