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対称関数論から見た多重ゼータ関数の数論的・組合せ論的研究

研究課題

研究課題/領域番号 21K03206
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分11010:代数学関連
研究機関愛媛大学

研究代表者

山崎 義徳  愛媛大学, 理工学研究科(理学系), 教授 (00533035)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
キーワード多重ゼータ関数 / Schur 関数
研究開始時の研究の概要

本研究では、Schur 多重ゼータ関数が満たす様々な関係式について、数論的側面と組合せ論的側面の両方から研究を行う。具体的には、多重ゼータ値および多重ゼータスター値に対して得られている既存の関係式を Schur 多重ゼータ値に対する関係式として拡張できるか、あるいは、Schur 多重ゼータ関数が Schur 関数に対する関係式の類似をどれ程満たすか、などについて研究する。

研究実績の概要

本研究の主研究対象は、Schur 多重ゼータ関数である。これは、表現論や組合せ論など数学の様々な分野で重要な役割を果たす Schur 関数のゼータ関数類似であり、現在様々な研究者によって研究が進められている。まず、昨年度末に投稿した Schur 多重ゼータ値の和公式に関する論文が無事出版された。和公式とは、形と重さを固定したときに、それらを持つ Schur 多重ゼータ値全体の和に関する公式のことである。この論文では Schur 多重ゼータ値に対する Jacobi-Trudi 公式を用いることで、形が ribbon 型の場合および角を1つだけ持つ場合に和公式を得ることができた。Jacobi-Trudi 公式はE型(多重ゼータ値を使ったもの)とH型(多重ゼータスター値を使ったもの)の2種類があるが、後者の場合はE型を使った研究しか行うことができていなかったため、本年度はH型を使ってどのような公式が得られるか研究を進めた。組合せ論的な議論で一部証明ができていないところがあるが、多重ゼータ値と多重ゼータスター値の間の双対性が垣間見えるような公式が成り立ちそうなことを数値実験で確認することができた。一方で、Schur 関数の第9変奏に関する2次関係式の研究も行った。これは、Schur 多重ゼータ値に関してこれまで得られている多くの結果が、変数であるヤング盤の対角成分がすべて等しいという条件下で議論されており、この場合は Schur 関数の第9変奏の特殊化として実現できるという事実を踏まえてのものである。具体的には、Plucker 関係式など Jacobi-Trudi 公式を応用することで得られる公式をいくつか導き、その特殊化として Schur 多重ゼータ関数が満たす様々な2次関係式を得ることができた。以上は東京理科大学の武田渉氏との共同研究である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

和公式の研究についてだが、まずは投稿した論文が無事出版されたことは非常に大きい。また、多重ゼータ関数の研究において双対性は非常に重要な関係式であるため、角が1つの場合という限定的な形の場合ではあるにしろ、それに類する現象を確認できたことは、今後の研究においても大きな意味を持つと考えられる。一方で、Schur 関数の第9変奏の研究についてだが、これは Schur 多重ゼータ関数の関係式で、Schur 関数の第9変奏の関係式から直接的に導けるものを系統的に与えることができたと説明することもできる。そのため、この手法が確立すれば、Schur 多重ゼータ関数に対する既存の研究に対しても新たな視点を与えることができると考えられ、今後より見通しの良い議論ができるようになると期待できる。

今後の研究の推進方策

和公式については、まずは上に書いた数値実験のみで確認できている公式に対して証明を与えることを目標とする。そのためには、ある特別な半標準盤の数え上げ公式が必要になると考えられるが、それについては対応する母関数を研究することで導出を試みる。また、今回のようなある種の双対現象が他の形の場合の和公式でも見られないか考察する。例えば高い対称性を有する形の場合などを中心に、数値実験も活用しながら具体的な公式化を試みる。一方で Schur 関数の第9変奏に関する2次関係式の研究については、ある程度結果が出そろってきたので、論文にまとめて投稿する。また、応用として、得られた関係式を用いて変数であるヤング盤の対角成分がいずれも1,2,3などの特殊な場合に、Schur 多重ゼータ値の具体的な公式が導けないか考察する。

報告書

(3件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて 2023 2022 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件)

  • [雑誌論文] Sum formulas for Schur multiple zeta values2023

    • 著者名/発表者名
      Henrik Bachmann, Shin-ya Kadota, Yuta Suzuki, Shuji Yamamoto, Yoshinori Yamasaki
    • 雑誌名

      Journal of Combinatorial Theory, Series A

      巻: 200 ページ: 105781-105781

    • DOI

      10.1016/j.jcta.2023.105781

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / 国際共著
  • [学会発表] Sum formulas for Schur multiple zeta values2023

    • 著者名/発表者名
      山崎義徳
    • 学会等名
      Zeta functions and their representations
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] Schur 多重ゼータ値に関する和公式について2022

    • 著者名/発表者名
      山崎義徳
    • 学会等名
      第59回関西多重ゼータ研究会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 多重ゼータ値と組合せ論2021

    • 著者名/発表者名
      山崎義徳
    • 学会等名
      CREST暗号数理2021年度第1回全体会議
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書

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公開日: 2021-04-28   更新日: 2024-12-25  

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