研究課題/領域番号 |
21K03210
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分11010:代数学関連
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研究機関 | 大阪公立大学 (2022-2023) 大阪府立大学 (2021) |
研究代表者 |
源 泰幸 大阪公立大学, 大学院理学研究科, 准教授 (50527885)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 箙Heisenberg代数 / 根基冪近似 / 普遍Auslander-Reinten列 |
研究開始時の研究の概要 |
この計画では、一般化のDG 代数A にたいして導来QH代数DH(A) と呼ばれるべきものを定義し、その基礎的な性質、表現論、圏論的幾何学を解明することを目指す。圏論的代数幾何学において導来PP代数DP(A) は代数多様体んp標準束ωの対応物である。本計画の目標の一つは、導来QH代数DH(A)は代数多様体のジェット束Jに対応し、半普遍AR三角はAtiyah 列に対応することを立証することにある。
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研究実績の概要 |
本研究では(滑らかな)微分次数付代数(DGA)とそのホッホシルトホモロジー類にからDerived quiver Heisenberg algebra (DQHA)と呼ばれるDGAを構成し、その性質を調べることが目的であった。道代数に対する前射影的代数の逆双対加群のテンソル代数としての構成をDGAに一般化したものがKellerによるCalabi-Yau completionであった。DQHAは私とHerschend氏による共同研究で導入した道代数にたいするDQHAの構成をDGAにたいして一般化することを目指して定義した。道代数のDQHAは具体的な生成元と微分(微分次数付き箙)から構成されていたもので、諸性質はそれを用いた具体的で(ある場合には複雑な)計算により示されていた。一般化されたDQHAはテンソル代数の様な方法で構成されるので、期待される性質を示すのに新しい手法を開発する必要があった。本年度はそれについて研究していた。道代数のDQHAでは網目元(網目関係式を定義する元)がホモトピー中心的(ホモトピーを法として全ての要素と可換)になることを示していた。道代数の(導来ではない)QHAでは定義から網目元が中心的であったことから納得できる性質である。一般のDQHAに対しても網目元に相当する元は定義されるが、これがホモトピー中心的であるのか否か、そう期待すべきか否かも不明であり暫くの懸案であった。本年度一番の結果はこれを肯定的解決に一歩前進したことであろう。大雑把に言えば網目元と生成元がホモトピー可換であることを示したのである。証明には非可換両側接続とでも呼ぶべきものが現れる。非可換接続というものは幾人かの研究者により導入され研究されているが、知る限り両側版は新しいものなのでこれ自体も興味深いと言えるだろう。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
上述の通り、DQHAの一般的な性質は解明されてきているが、その圏論幾何的側面を明らかにするという当初の目的にはまだ到達できていない。研究実績の概要で述べた、非可換両側接続というのは、微分幾何における接続の非可換代数的類似物であるが、これは研究目標に掲げていた圏論的幾何とは、とりあえず、別のものである。様々な研究を見ていると関係なくも無いようなので、今後の研究の課題としたい。
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今後の研究の推進方策 |
直近の目標は、DQHAの網目元がホモトピー中心的であると示すことである。研究実績の概要で述べた、網目元と生成元がホモトピー可換ということから一般的な議論で証明できると期待している。それを証明した後には、DQHAの圏論幾何的な側面を研究していきたい。
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