研究課題/領域番号 |
21K03228
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分11020:幾何学関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
安藤 直也 熊本大学, 大学院先端科学研究部(理), 准教授 (50359965)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | パラ複素構造 / べき零構造 / Walker多様体 / 等方的パラKahler多様体 / Gauss写像 / Ribaucour's reduction / 曲率線 / 孤立臍点 / 4次元ニュートラル多様体 / 光的ツイスター空間 / 概べき零構造 / 光的2次元分布 / 光的曲面 / 共形Gauss写像 / 共変微分 / 複素4次微分 / 臍点 / 等方性 / 過剰決定系 / ツイスター・リフト |
研究開始時の研究の概要 |
曲面上の複素4次微分についての体系的な理解を目指す. 孤立臍点の指数は1以下であるという予想の解決を目指す. コンパクトなRiemann面上の計量と正則2次微分の間の関係がRiemann面の3次元球面への極小はめこみをどのように決めるかを調べる. 4次元空間内の平均曲率ベクトルが零とは限らない曲面上の過剰決定系による曲面についての体系的な理解を目指す. 空間の次元が5, 6の場合に, 曲面のツイスター・リフトに相当するものを考案し研究成果を得たい.
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研究実績の概要 |
(1) (E,h)を階数4nの向きづけられたニュートラルなベクトル束とする. ∇をhと適合するEの接続とする. Eのパラ複素構造JでJ^*h= -hを満たしかつ∇JがJに関連するべき零構造Nとある1形式αのテンソル積で局所的に表されるようなものの特徴づけを与えた. (M,h)を4n次元ニュートラル多様体とし, ∇をhのLevi-Civita接続とする. JはMの概パラ複素構造で, J^*h= -hを満たしかつ∇Jが局所的に上のようなα≠0とNのテンソル積で表されるとする. このときM, hおよび∇Jが定めるM上の光的2n次元分布Dの組(M,h,D)はWalker多様体であり, また(M,h,J)は等方的パラKahler多様体であることがわかった. 特にM=E^{4n}_{2n}の場合に上のような概パラ複素構造の例を与えた. 以上の結果は昨年度得られたn=1の場合のものの一般化である. (2) KusnerによるWillmore射影平面を与えるE^3内の極小曲面を変形することで, E^4内の極小曲面で複素曲線と合同でなくかつ超平面に含まれないものを構成した. またE^4_2内の空間的または時間的曲面で零平均曲率ベクトルを持つものについて, Gauss写像の値域を考慮して, 1次分数変換を用いて具体例を与えた. (3) (梅原雅顕氏 (東工大)との共同研究) E^3内の曲面に対するRibaucour's reductionの類似をE^3_1内の空間的または時間的曲面に対し考えることにより, 空間的曲面に対し曲率線どうしが対応するE^3内の曲面を構成でき, 逆の構成もできた. また時間的曲面の孤立臍点の指数は一意に決まらず, 特に任意の時間的曲面の孤立臍点に対し指数が0の曲率線流の存在がわかった. また孤立臍点の指数が±1である曲率線流を持つ可算個の時間的曲面を構成した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
研究実績の概要に記した(1), (2), (3)のうち, まず(1), (2)は既に得られている結果の一般化或いは具体例の構成であり, 今回の結果によりこれまでの結果が補強されこれら全体がより多くの充実した内容を持つことになったという印象を抱いている. (3)については, E^3_1内の空間的または時間的曲面上の曲率線についての研究が大いに進展したと考えている. 特に, 曲面が時間的な場合には曲率線の振る舞いは空間的な場合の類似物ではないことがわかった. 以上により, 現在までの進捗状況を「当初の計画以上に進展している」と考える.
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今後の研究の推進方策 |
研究実績の概要(1)で記した結果は, E^3_1内の時間的極小曲面の共形Gauss写像のツイスター・リフトに対応するパラ複素構造の性質に基づく. E^3内の極小曲面の共形Gauss写像のリフトに対応する混合型構造についても同様の研究を行いたい. 現時点では全く類似の議論は成り立たないと思われるが, 新しくて興味深い現象を発見し, 研究実績の概要(1)で記した結果に対応するものを得たい. 次元が4以上の擬Riemann多様体内の空間的または時間的曲面で零平均曲率ベクトルを持つもの或いは光的な曲面を複素構造, パラ複素構造, べき零構造, 混合型構造に関連づけて調べ, 今までに得られている結果の一般化等を目指す. さらに, この観点でS^4内のWillmore曲面の共形Gauss写像について調べることを考えている. E^3およびE^3_1内の空間的または時間的曲面上の曲率線に関する論点について梅原氏と継続的に検討している. 研究実績の概要(3)で記した結果も踏まえて, 今後の研究を推進する予定である (詳細については省略).
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