研究課題/領域番号 |
21K03234
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分11020:幾何学関連
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
新田 泰文 東京理科大学, 理学部第二部数学科, 講師 (90581596)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | K安定性 / Ding安定性 / 漸近的Chow安定性 / トーリック多様体 / 標準 Kaehler 計量 / K-安定性 / Hitchin 方程式 |
研究開始時の研究の概要 |
定スカラー曲率 Kaehler 計量の Hitchin 方程式による類似である HcscK 計量の存在問題、及び関連する偏極多様体の幾何学的不変式論の意味での安定性について研究を行う。より具体的には、(i) 偏極トーリック多様体における HcscK 計量の存在問題、(ii) HcscK 計量の存在・一意性と安定性との関係、(iii) 端的 Kaehler 計量の Hitchin 方程式による類似、(iv) co-Higgs 束との関係を明らかにする。
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研究実績の概要 |
標準Kaehler計量の存在問題と安定性との関係について研究を行い次の成果が得られた。 (1)4次元以下のトーリックFano多様体の満渕定数を全て決定した(四ッ谷直仁氏、齋藤俊輔氏との共同研究)。また、それにより一様相対Ding安定なトーリックFano多様体を決定した。応用として、全てのKaehler類が端的計量を含むが相対Ding不安定であるトーリックFano多様体の具体例を発見した。この結果は論文にまとめ、European Journal of Mathematicsに掲載された。 (2)四ッ谷-ZhouによるトーリックFano多様体の相対K不安定性の判定法の適用条件について検討し、4次元以下のトーリックFano多様体で適用できる可能性があるのは高々2つであることを示した(齋藤俊輔氏との共同研究)。この結果は論文にまとめ、Kodai Mathematical Journalへの掲載が決定している。 (3)Fano多様体において定義される標準計量の間の関係を調べ、Fano多様体上の一般化されたKaehler-Einsteinがまた端的Kaehler計量であるかKaehler-Ricciソリトンであるならば、それ自身Kaehler-Einstein計量であることを示した。この結果は論文にまとめ、Proceedings of the American Mathematical Societyへの掲載が決定している。 (4)昨年度の研究で、漸近的Chow半安定性の障害が消えている偏極トーリック曲面において極大代数的トーラスに関する同変(一様)K準安定性が漸近的Chow準安定性を導くことを示した。(齋藤俊輔氏との共同研究)今年度に改めて議論の検討を行ったところ、証明にギャップが見つかったため修正を行った。この修正による主結果への影響は無い。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度の議論にギャップが見つかったが主結果に影響を与えることなく修正ができたこと、また、偏極多様体の安定性及びそれらの間の関係に新たな理解が得られたことから研究の進捗は順調であると判断している。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は昨年度に導入した新しい漸近的相対Chow安定性の研究をさらに進めていく。具体的には、漸近的相対Chow安定性と相対K安定性との関係、偏極トーリック多様体における(漸近的)相対Chow安定性の判定法の確立などが考えられる。また、Chow安定性のHcscK系における類似の研究も大変興味深い。一方、今年度得られた成果のさらなる発展として、我々の結果をトーリック多様体以外の対称性の高い多様体に拡張することも重要な問題であると考えている。
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