研究課題/領域番号 |
21K03281
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分12010:基礎解析学関連
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研究機関 | 中部大学 |
研究代表者 |
相川 弘明 中部大学, 理工学部, 教授 (20137889)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | IU / 容量的幅 / 複雑領域 / グラフ領域 / 多様体 / 単連結領域 / 擬双曲距離 / Harnack不等式 / 除外集合 / 境界Harnack原理 / 最小固有値 / Green関数 / ねじり関数 / 負曲率多様体 |
研究開始時の研究の概要 |
太鼓の音は膜の振動数によって定まる.それは太鼓の膜を形作る領域の「最小固有値」によって決定される.この研究では複雑な領域の最小固有値やそれに関連する各種の量と性質を「容量」を用いて明らかにする.ユークリッド空間のような平らな空間内の領域と,曲がった空間における領域には大きな違いがある.ユークリッド空間における既存の結果を曲率(曲がり具合)が負であるような負曲率多様体に拡張し,本質的な性質を明らかにする.
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研究実績の概要 |
双曲多様体を典型的な例とする負曲率多様体に「容量的幅」を拡張し,多様体上の任意の領域の最小固有値やねじり関数,生存確率を容量的幅によって評価し,様々な問題に応用する研究を継続している.調和関数の大域的境界Harnack原理に対応する放物型原理はIntrinsic Ultracontractivity(IU)である.IUが成立するためには領域がごく弱い条件をみたせばよい.たとえば,Davisはグラフで表される領域は,有界でありさえすれば,グラフのなめらかさにかかわらずIUをみたすことを示している.IUを幾何学的に特徴付けることができるかは未解決問題であるが,BanuelosとDavisは2次元グラフ領域に対してIUの幾何学的特徴付けを与えている.グラフ領域は単連結であり,Wide Access 性質をみたす.すなわち,Wide Access 性質とは領域内に固定点があり,その他の任意の点 x は固定点と曲線(境界からの距離がxと境界との距離の定数倍以上)で結べることである.このことに着目して,Mendes-Hernandezは2次元単連結領域でWide Accessなものに対するIUの幾何学的特徴付けの予想を与えている.この予想を解くための第一歩として,BanuelosとDavisの結果を「容量的幅」を用いて再構成し,複雑な確率論的議論を用いない解析的議論を与えた.この結果は2024年3月に日本数学会2024年度年会・函数論分科会(大阪公立大学)で"Intrinsic ultracontractivity for planar domains with wide access property"という題目で発表した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍はようやく落ち着いてきたが,バックログのために共同研究や研究発表のための時間に制約があったため.
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今後の研究の推進方策 |
コロナ禍による制約が緩和され,国内外の出張が自由にできるようになってきた.今年8月には東北大学における国際会議 Finite or Infinite Dimensional Complex Analysis and Applications (ICFIDCAA 2024) に出席し,研究課題と複素解析に関連する国内外の研究動向に関する情報を収集する予定である.
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