研究実績の概要 |
双曲多様体を典型的な例とする負曲率多様体に「容量的幅」を拡張した.多様体上の任意の領域の最小固有値やねじり関数,生存確率を容量的幅によって評価し,最小固有関数とGreen関数の比較,Intrinsic Ultracontractivity やCranston-McConnell不等式に応用した.この研究の中で除外集合を許容する内部Harnack不等式が本質的な役割を果たすことを再確認した.容量的幅を用いた積分条件をグラフで表される領域に適用すると,除外集合を許容する内部Harnack不等式によって,Intrinsic Ultracontractivityや大域的境界Harnack原理を満たすかどうかの判定条件がグラフのごく弱いなめらかさ(Intrinsic Ultracontractivityの場合),弱いHolder連続性(大域的境界Harnack原理の場合)などの,より具体的な条件であたえられる.今までの議論は非常に込み入っていたため,状況を整理して図解することにより,幅広い認識が得られるようにし,その内容を以下の3つの招待講演で紹介した. 1.H. Aikawa, Intrinsic Ultracontractivity for domains in negatively curved manifolds, Analysis on Metric Spaces, Workshop 2022 OIST, Okinawa, 23-27 May 2022 2.相川弘明: 複雑領域のポテンシャル解析, RIMS研究集会「関数空間論とその周辺」 2023年2月13日~15日 3.H. Aikawa, Elliptic and parabolic boundary Harnack principles via Harnack inequality admitting exceptional set Analysis and geometry of fractals and metric spaces - Recent developments and future prospects,Bankoku Shinryokan, Okinawa, 5-9 March 2023
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