研究課題/領域番号 |
21K03295
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分12010:基礎解析学関連
|
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
下村 哲 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 教授 (50294476)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
|
キーワード | ソボレフ関数 / 楕円型偏微分方程式 |
研究開始時の研究の概要 |
ポテンシャル論は、函数論、偏微分方程式論、確率論などと深く結びつきながら発展してきて、物理学や工学においても重要な応用を持つ研究分野である。楕円型偏微分方程式の解について、存在と一意性、正則性などの解析的な性質を研究する方法はいくつかあるが、ペロンの方法に代表されるポテンシャル論的方法はその有力なものの一つである。特にソボレフ空間とそれに付随する容量の概念は、方程式の弱解の正則性を調べ、それが強解であるかどうかを判定するのに欠かせない道具である。そこで、ソボレフ関数を利用して、楕円型偏微分方程式の解がもつ解析的な性質をポテンシャル論的方法により研究していこうとするのが、本研究の目的である。
|
研究実績の概要 |
楕円型偏微分方程式の解について、存在と一意性、正則性などの解析的な性質を研究する方法はいくつかあるが、ペロンの方法に代表されるポテンシャル論的方法はその有力なものの一つである。本研究の目的は、ソボレフ関数を利用して、楕円型偏微分方程式の解がもつ解析的な性質をポテンシャル論的方法により研究することである。本年度は次のような研究を行った。 Musielak-Orlicz空間や積分形のMusielak-Orlicz-Morrey空間におけるTrudinger型の指数積分不等式、半空間における2重層汎関数に対するMorrey空間に属する関数のリースポテンシャルに対するTrudingerの不等式に関して成果を得た。 2重層汎関数に対する単調なソボレフ関数の球面平均に関する成果、単位球における2重層汎関数に対するHardy-Sobolevの不等式、2重層汎関数に対するLorentz空間に属する関数のリースポテンシャルに対するソボレフの不等式について成果を得た。 積分形の変動指数をもつMorrey空間に属する関数のリースポテンシャルや一般化された分数冪積分作用素に対するソボレフの不等式、距離空間の変動指数をもつMorrey空間上の一般化された分数冪積分作用素の有界性、central Herz-Morrey-Musielak-Orlicz空間に属する関数のリースポテンシャルに対するソボレフの不等式に関して成果を得た。Herz空間におけるHardy-Sobolevの不等式、超平面上のHerz空間における分数冪積分作用素の有界性について成果を得た。 2つの変動指数をもつソボレフ空間に対するコンパクトな埋め込みについて成果を得た。Nonhomogeneous central Morrey型空間における極大作用素やリースポテンシャル作用素の弱有界性についても成果を得た。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
Musielak-Orlicz空間や積分形のMusielak-Orlicz-Morrey空間などの関数空間において、Trudingerの不等式に関して成果を得た。積分形の変動指数をもつMorrey空間などに属する関数のリースポテンシャルに対するソボレフの不等式、2重層汎関数に対するHardy-Sobolevの不等式に関する結果、距離空間の変動指数をもつMorrey空間上の一般化された分数冪積分作用素の有界性などを得た。このように、本年度予定していた以上の成果を得ることができたから。
|
今後の研究の推進方策 |
今後は、昨年度に得た結果の証明のアイディアをもとに、non-doubling測度距離空間上のMusielak-Orlicz-Morrey空間に関するソボレフの不等式やTrudingerの不等式などの研究に取り組み、変動指数をもつ関数空間上におけるソボレフ型定理を発展させ、応用として2重層汎関数に対する結果も発展させる予定である。
|