研究課題/領域番号 |
21K03301
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分12010:基礎解析学関連
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研究機関 | 横浜国立大学 (2022-2023) 東海大学 (2021) |
研究代表者 |
植木 誠一郎 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 教授 (70512408)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | チェザロ型積分作用素 / Bergman空間 / Fock空間 / Hardy空間 / 等距離写像 / Bloch空間 / 等距離作用素 / 積分作用素 / Gleason問題 |
研究開始時の研究の概要 |
チェザロ型積分作用素のBergman空間への作用を特徴づける条件を、作用素構成因子である解析関数がもつ増大度や領域の境界における挙動などの函数論的な性質を通して明らかにする。積分作用素の解析にGleason問題の可解性、等距離写像の構造解析という保存問題の2つを応用し、Berezin型変換の挙動と作用素ノルムを結びつける調和解析の手法を取り入れ、 1)Berezin型変換と積分作用素による像のノルムとの関係を明らかにする 2)構成因子のもつ函数論的性質がBerezin型変換に及ぼす影響を解析する ことで積分作用素の性質と構成因子の性質との相互作用の仕方を明らかにしたい。
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研究実績の概要 |
共同研究者であるS.Stevic氏と共に、より一般的な線形作用素を導入し、重み付き有界正則関数空間への作用の特徴付け問題と本質ノルム評価に関する研究を進めた。作用素を解析するための試験関数の構成の難しさは研究開始時において認識してきたが、上限ノルムを要する解析関数空間に立ち戻って新しい試験関数の構成法について考察したことによりいくつかの結果を得ることができた。この共同研究による結果は2篇の査読付き論文としてすでに出版されている。現在は研究目的であるLp型ノルムを要するBergman空間での作用素解析を進展させるために試験関数の構成法について取り組んでいる。対数オーダーの重み付きBergman空間に対する微分作用による特徴付け、同値ノルムによる評価不等式の確立ができたため、このタイプのBergman空間に作用する積分作用素解析について少し進展があった。こちらは現在、論文発表の準備中である。また、等距離写像については、前年度にBergman-Orlicz型空間での積分作用を考察した結果がもう少し一般的な関数空間でも適用できることがわかり、等距離写像の構造解析に応用でき、Bergman-Orlicz型およびHardy-Orlicz型空間の等距離写像の特徴付けが得られた。線形性を仮定しないで積を保存する乗法的等距離写像の特徴付けについてまだ解決できていない部分があり、この点は引き続き研究を進めていくべき課題である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
対数オーダーの重み関数に対するBergman空間での同値ノルムによる評価不等式と特徴付けを新たに見出すことができ、これらの結果を応用することで積分作用素の解析に進展があった。前年度に発表したBesov型関数空間の等距離写像の解析については、より一般的なBergman-Orlicz型空間、Hardy-Orlicz型空間での積分作用素の解析が進んだため、これらを応用することで関数空間の位相的構造が明らかになり等距離写像の構造解析に繋げることができた。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに得られた結果をFock型空間にも適用可能であるかどうかを検証する必要がある。前年度に新しく見出したRademacher関数列とアトム分解定理によるノルム評価および試験関数の構成法がまだ限定的な状況でしか適用できないことがわかっており、より一般的なBergman空間、Fock空間にも適用できるかどうかの検証、または全く別のアプローチによる解析手法の開発などが必要であると考えている。
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