研究課題/領域番号 |
21K03325
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分12020:数理解析学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
水谷 治哉 大阪大学, 大学院理学研究科, 准教授 (10614985)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 4階シュレディンガー作用素 / 波動作用素 / 非線形シュレディンガー方程式 / 星型グラフ / ハイゼンベルグ群 / 一様レゾルベント評価 / 分数階シュレディンガー作用素 / 高階シュレディンガー作用素 / ストリッカーツ評価 / 平滑化作用 / レゾルベント評価 / 重みつき有界性 / シュレディンガー方程式 / 偏微分方程式 / 一般化シュレディンガー方程式 |
研究開始時の研究の概要 |
ポテンシャルを伴う高階シュレディンガー方程式や準相対論的シュレディンガー方程式を含む, 高次・分数次の量子効果を取り入れた一般化線形シュレディンガー方程式に対して, ストリッカーツ評価, 分散型評価, 波動作用素の有界性などの実解析的性質を明らかにし, それらを対応する高次・分数次の非線形分散型方程式の初期値問題および散乱理論に応用する.
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研究実績の概要 |
研究計画に基づき、以下の3点について研究を行なった。 1. 前年度に引き続き4階シュレディンガー方程式に対する波動作用素を空間3次元においてについて考察した。先行研究では、ゼロレゾナンスがない場合に端点を除くルベーグ空間において波動作用素が有界であることが示されていたが、今回は端点において弱(1,1)型有界性を示し、さらに通常の L^1 および L^\infty 有界性は成立しないことを証明した。端点を除く評価は端点評価と補完定理から直ちに従うため、今回の結果は先行研究を含む形で一般化するものである。この結果は論文にまとめ現在投稿準備中である。 2. 星型グラフ上の非線形シュレディンガー方程式を頂点キルヒホッフ境界条件のもとで考察し、臨界長距離型の非線形性を伴う場合に、十分に滑らかな小さな解の大域存在と修正自由解への散乱および修正波動作用素の存在を証明した。これは論文にまとめ国際論文雑誌「Pure and Applied Analysis」に掲載済みである。 3. Heisenberg 群上の sub-Laplacian に付随する自由シュレディンガー作用素について考察し、球面微分の損失を伴う一様レゾルベント評価を証明した。特に、水平変数に関して球対称である場合に、Euclid 空間と同様の評価が成り立つことがこの結果から従う。また、同様の設定のもとで自由シュレディンガー方程式の初期値問題に対する時間大域的平滑化作用も直ちに従う。証明にはレゾルベントの具体的表現公式は用いず、その代わりに Mourre 理論を用いた。この手法はより一般的な Lie 群への拡張や分数ベキ・高階シュレディンガー作用素への一般化も期待できる。この結果は現在論文を執筆中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画で予定していた波動作用素の有界性に関する研究が順調に進展しており、また、非線形問題への応用もすでに結果が得られているため。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、高階シュレディンガー方程式に対する波動作用素の有界性について、特に、高次元においてゼロエネルギーが特異な場合を考察する。また、線形ポテンシャルをもつ非線形シュレディンガー方程式の散乱理論について研究を行う。特に、線形・非線形ポテンシャルがともに長距離型の場合の修正波動作用素の存在について考察する。
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